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高島屋東別館がリニューアル サービスレジデンス核に、高島屋史料館も

オープニングセレモニーの様子

オープニングセレモニーの様子

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 高島屋東別館(大阪市浪速区日本橋3)に1月20日、サービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」(TEL 06-6695-7150)がオープンした。

エレベーターホールなど百貨店が華麗だった頃の内外装を今に伝える

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 1966(昭和41)年まで松坂屋大阪店が営業していた高島屋東別館ビルは、昭和初期に建設された鉄骨鉄筋コンクリート造りで、これまで約90年にわたり、百貨店が最も華麗だった頃の内外装を今に伝える貴重な建築物として知られる。2019(平成31)年3月には国の有形文化財に登録された。

 リノベーションに当たり、堺筋に沿って続く11連アーチや、67メートルものアーケード部分など、アールデコ調の外装はそのままの形で活用するほか、内装にも大理石をふんだんに使った階段やエレベーターホール、天井、梁(はり)、柱などの造作も当時のままで残した。地上9階、地下3階建てで、延べ床面積は約4万1000平方メートル。リノベーション工事の投資額は、賃貸エリア分が89億円、高島屋が自社で活用するエリア分が56億円。

 「シタディーン(citadines)」は、世界30カ国180都市で、13ブランド700軒の宿泊施設を展開するアスコット(シンガポール)が運営するサービスレジデンス(滞在型ホテル)。日本国内ではアスコットジャパン(東京都港区)が東京と京都で3軒を運営しており、「シタディーンなんば大阪」が4軒目となる。高島屋東別館の核テナントとして、約1万7000平方メートル部分に出店し、客室数は313室。一部客室にはキッチンや洗濯乾燥機を装備する。共用部分としてジム、ミーティングルーム、ラウンジ、キッズルームを設ける。インバウンド利用だけでなく、日本国内からの利用も想定する。

 デザインコンセプトは「The Department Hotel」。建物がもともと百貨店であったことや、高島屋大阪店との連動性を意識し、館内共用部だけでなく客室にも百貨店をイメージしたイラストやアイテムを配置した。今後、高島屋大阪店で購入した商品の配送や、送迎なども予定する。1階にイタリアンレストラン「numero five(ヌメロファイブ)」、日本茶カフェ「祇園北川半兵衛 なんば店」、くん製総菜店「勘田亀吉」などが出店する。

 高島屋東別館のリニューアルに当たり、以前からあった「高島屋史料館」も館内で場所を移転し、リニューアルオープンした。同館は高島屋創業以来の企業活動の中で蓄積してきた資料や美術作品を収集・保存し広く公開・活用することを目的に1970(昭和45)年に開館したもので、美術品、百貨店資料、創業家文書など約5万点を収蔵する。従来は保存に重きを置いていたが、リニューアルに当たり一般の来場を意識。デジタル技術も活用し、高島屋に限らず百貨店の歴史と役割も分かりやすく紹介する。展示室=約600平方メートル、収蔵庫=約900平方メートル。

 リノベーション前の高島屋東別館と、1932(昭和7)年の高島屋大阪南海店(現=高島屋大阪店)を100分の1サイズで再現した模型、バラの柄で知られる高島屋の包装紙、高島屋のマスコットキャラクター「ローズちゃん」も展示するなど、子どもも楽しめる展示も行う。営業時間は10時~17時。入場無料。火曜・水曜休館(1月21日・22日は開館)。

 高島屋東別館内には、高島屋の企画本部、総務本部、MD本部、グループ企業のオフィスも集約した。会議室、社員食堂なども合わせて約2100平方メートルをオフィスとして活用する。

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