南船場のギャラリーで「MA・JI・KI・RI」展-新しいふすまの形を表現

ふすまと和紙の新しい可能性に挑戦した10作品を展示

ふすまと和紙の新しい可能性に挑戦した10作品を展示

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 紙商社の平和紙業が運営するギャラリー「ペーパーボイスギャラリー大阪」(大阪市中央区南船場2、TEL 06-6262-0902)で現在、新しいふすまの形を表現したグループ展「MA・JI・KI・RI展」が開催されている。

永島学さん「あ~した てんきに な~れ」

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 同展は、大阪在住のデザイナー10人が現代の洋室中心の住空間に溶け込む新しいふすまを「間仕切り」として表現したもの。主催は紙すきメーカーとして千年以上の歴史を持つ「アワガミファクトリー」(徳島県吉野川市)。同社工房では、インクジェット印刷でもにじまない手すきの和紙を同展用に1年かけて開発、「デジタルと組み合わせる和紙の新たな可能性」に挑戦した。

 あい染めにしたびょうぶ風の間仕切りや、ふすまを額に見立て「レースプラント」という葉脈だけの水草をはめ込んだものなど個性的な10作品が並ぶ。ふすま・壁紙メーカーの担当者から聞いたふすまの厳しい現状を踏まえ、今後の商品化も視野に入れて制作したという。これまで「タブー」とされてきた穴をふすまに開け、新しいスタイルのふすまを提案したグラフィックデザイナーの菊池満さんは「丸く開けた穴から表情の異なる和紙をのぞかせ、『奥ゆかしさ』を表現した」と話す。

 間仕切りが天井からつり下げられた、ユニークな展示方法が特徴の同展。企画を担当したアイ工房・社長の池田毅さんは、その理由を「『タペストリー』というふすまの新たな活用方法を提案したかった」と説明する。「ただの作品という以上に、ふすまが現代で息を吹き返すことができるよう10人10色の素晴らしい表現力で応えてくれた。来館者にも新しい和のテイストを感じてもらえたら」とも。

 開催時間は9時~17時(最終日は16時まで)。入場無料。土曜・日曜定休。4月1日まで。

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