
企画展「Imperial Warrant 皇室の御用達」が9月6日、高島屋史料館(大阪市浪速区日本橋3)で始まった。
展覧会では高島屋が皇室に納めた織物「御用裂」の見本を展示する。1831(天保2)年に呉服店として創業した高島屋は、明治時代から「装飾業」にも参入。同社によると、洋風建築が増えるのに伴って、カーテンや壁紙などさまざまな室内織物の需要が高まり、軌道に乗り始めたという。1887(明治20)年には、皇居再建に当たり、カーテンなど装飾織物を受注。これをきっかけに官省から依頼が増え、「宮内省御用達」の認可を受けると事業がますます拡大したという。
展覧会は会期を1部と2部に分け、展示物は全て入れ替える。展示点数は約60点。「大正・昭和のご即位を彩った染織の美」(10月5日)、「近代皇室の御用をつとめた高島屋」(11月9日)をテーマにした講演会や、同館研究員によるギャラリートーク(第1土曜・第3土曜14時~)などトークイベントも開く。
1部の展示物は3章に分けて紹介する。1章「皇居造営御用」では高島屋が装飾業を始めた頃から、1887(明治20)年に皇居再建に当たり装飾織物を受注する頃までを紹介。2章「宮内省御用達」では、1897(明治30)年に宮内省御用達の認可を受けた同社が、御料車(天皇皇后両陛下がご乗用になる車両)、皇后の洋服地などさまざまな御用を務めた時代を紹介する。高島屋の御用図案を手がけた図案家の一人・中山冝一の図案集「國華」(港区立郷土歴史館蔵)を特別展示する。
同史料館研究員の高井多佳子さんは「美しさと技術の粋を楽しみながら、高島屋の知られざる歴史に触れてもらいたい」と話す。
開館時間は10時~17時。火曜・水曜休館。12月22日まで。10月28日~31日は展示入れ替えのため休館。