トイカメラで撮影した作品のみを展示する写真展「トイカメラ写真月間2010」が6月1日より、南船場の「ギャラリー・アビィ」(大阪市中央区南船場2、TEL 06-6261-7383)で開催されている。
トイカメラの魅力を紹介する「定番イベント」として、2005年の開設以来毎年開催している同展。6回目を迎える今回、週ごとに1機種のトイカメラを紹介していた従来の展示方法から、2機種以上を比較する「バトル」形式に変更。「見比べることで際立つ各カメラの違いや特徴を伝えたかった」と同ギャラリー・オーナーの吹雪大樹さん。
会場では3つのテーマに沿った一般公募作品を週替わりで展示する。1週目(6月1日~6日)のテーマは「LOMO vs HOLGA」、ロシア製カメラ「ロモ LC-A」と中国製カメラ「ホルガ」が「対決」した。1980年代に誕生し世界中に愛好家を持つ「二大」トイカメラだが、撮影に手間がかかるホルガと簡単に撮影できるLC-Aでは「大砲とマシンガンぐらい違いがある」(吹雪さん)という。「対極にある存在」という2機種の特徴を生かした7人の作品を展示。
2週目(8日~13日)の「ピンホールvsポラロイド」では、レンズを使わず小さな穴(ピンホール)を使って撮るピンホールカメラと、「撮ったその場で写真が浮かび上がる」ポラロイドカメラで撮影した12人の作品を展示する。3週目(15日~20日)は「トイカメラバトルロワイヤル」と題し、1週目と2週目で紹介したトイカメラ以外の「個性派」で撮影した作品を展示。新種の「デジタル」トイカメラで撮った作品とフィルム作品という2カテゴリーに分けて「対決」させる。
「シンプルな構造のトイカメラは、自分の工夫次第でいろいろ変えられる」とその魅力を語る。ズームなど今のカメラには当たり前のものがなく、「使いにくい」トイカメラで思い通りの作品に仕上げるには「相当の技術と訓練が必要」だが、「その人間くささが、今の時代には『面白さ』や『温もり』につながるのでは。トイカメラでしか撮れない味や世界観を味わってほしい」と吹雪さん。
吹雪さんは写真サークル「ホルガ会」の代表を務め、同ギャラリーでホルガの販売も行っていることから、トイカメラに関する相談を受けることも多いという。「トイカメラという名前だけが一人歩きしていて、実際に特徴や違いを知っている人は少ないと感じる。異なった機種を一度に見られる今回のような展示を通して、自分に合ったトイカメラを見つけるきっかけにしてもらえれば」と話す。
開催時間は12時~19時。月曜休廊。入場無料。今月20日まで。