南船場の写真ギャラリー「ナダール/OSAKA」(大阪市中央区南船場3、TEL 06-6251-8108)で現在、写真とカメラの関係に焦点を当てた企画展「写真機と写真展」が行われている。
各作品には、撮影したカメラに対する作者の「思い入れ」が添えられている
「写真を撮るには写真機(カメラ)が必要。カメラが変われば写真が変わる」と同ギャラリースタッフの橋本大和さん。同展はそうした「写真と写真機の秘密を解き明かそう」と企画したもの。会場には、8人がそれぞれこだわりのカメラで撮影した作品24点を展示する。
愛用する「ズマール」レンズを使って「(ほこりがついたままの)曇ったレンズだけが写せる曇った写真」を撮影した長谷川隆さん。「父親が自分の成長を記録していた」という「ハッセルブラッド」カメラで、今度は娘さんの写真を撮影した森田一弘さん。「右手でカメラを操作し、左手で被写体の位置や動きを整える」撮影スタイルを可能にするため、軽いオートフォーカス一眼レフの「Nikon F80」を愛用する同ギャラリー代表の林和美さんなど、8人8様の愛用カメラとそのカメラに対する「思い入れ」を各作品に添える。
2000年のオープン以来、「最初の一歩、次への一歩をお手伝い」をモットーに、テーマ別の写真教室やワークショップを開いてきた同ギャラリー。同展を皮切りにスタートした企画展「3連チャン」は、これまで「写真と道具」をテーマに行ったワークショップの「総集編」として、「写真機と写真展」「ライティング機材を楽しもう」「スクエア写真の魅力展」の3つの企画を週替わりで行っている。
橋本さんは「デジタルカメラの登場で写真が身近になり写真を楽しむ人の数が増えた。そんな今だからこそ、写真のいろいろな可能性に触れ、『次への一歩』が広がるような企画展を開催したいと思った」と企画の経緯を話す。「同じ写真を撮るのにもいろいろな道具、いろいろな方法がある。今回の企画が、そうした写真の奥深さに気づいてもらうきっかけになれば」と期待を寄せる。
営業時間は11時~19時。入場無料。今月6日まで。