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道頓堀川で世界初「プラグインハイブリッド船」公開-来年度の実用化目指す

公開されたプラグインハイブリッド船

公開されたプラグインハイブリッド船

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 大阪・ミナミの道頓堀川で6月29日、世界初となるプラグインハイブリッド船の試作船が公開された。

戎橋の下を航行するプラグインハイブリッド船

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 大阪市では、環境・エネルギー分野における革新的な製品・サービスの事業化を目指す企業に助成金を交付する「成長産業チャレンジ支援事業」を昨年度から2年計画で実施しており、その採択事業の一つとして、プラグインハイブリッド船の実用化開発を支援している。試作船は、同事業の支援を受け、南進造船所(大阪市大正区)と大阪市立大学(住吉区)複合先端研究施設の南繁行特任教授が共同で約半年かけて製作したもの。

 公開された試作船は以前、大阪市環境局の広報船として使っており、廃船予定だった船を改造したもの。全長7メートルで、重さは約2.7トン。乗員を含め10人が乗り込める。ディーゼルエンジンとバッテリー、モーターを搭載し、クラッチを切り替えることで、エンジン航行と電気航行を切り替えることができる。電気航行での最高時速は約25キロで、エンジン航行と変わらないレベル。

 重さ約30キロのバッテリー16個を搭載し、陸上の交流電源(200ボルト)か、船に搭載したエンジンで駆動する発電機で充電する。満充電で約3時間(時速約5キロ~7キロの場合)の電気航行(最大35キロワット)が可能で、従来のディーゼル船に比べ、燃費を2~3倍に向上させることができるほか、CO2の発生を抑制することができるという。

 試作船は、メディア関係者や、大阪市の関係者らを乗せ、道頓堀川の日本橋~京セラドーム大阪周辺を往復した。エンジン航行から電気航行に切り替わると振動が止まり、わずかなモーター音がするだけで、静かに水面を進んだ。

 南進造船所の池田三郎社長は「自動車にハイブリッドがあるなら、船でもやってはどうかと以前から考えていた。(電気航行は)排ガスの臭いや振動がなく、本当に静か。もう少しスピードが出るようにし、30人乗りぐらいの観光船を作りたい」と意気込む。今後、試験航行を繰り返し、来年度の実用化を目指す。

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