大阪府立大学I-site(アイサイト)なんば(大阪市浪速区敷津東2)2階で12月7日、日本での映画の始まりと大阪をテーマとしたセミナー「映画は『なんば』からはじまった!」が開催される。
映画の日本との関わりについては、1897(明治30)年1月、京都の実業家・稲畑勝太郎がフランスから持ち帰ったシネマトグラフと呼ばれる映写機を京都電灯の中庭(現在は関西電力変電所と旧・立誠小学校にまたがる場所)で試写をしたのが、日本で初めての映画の上映とされてきた。稲畑はその後2月15日、大阪・難波の南街会館(現在のTOHOシネマズなんば)で有料の上映会を開催。これが映画興行の発祥とされ、1階エレベーター乗り場の壁面にはそれを記念する碑文が設けられている。
だが大阪在住のエッセイスト・武部好伸さんが2016年に書籍「大阪『映画』事始め」(彩流社)を発刊。同書では、稲畑が京都で試写をする前年の1896(明治29)年12月に、大阪・心斎橋の西洋雑貨商、荒木和一が米国で購入したヴァイタスコープという映写機を、当時の福岡鉄工所(現在のなんばパークス)の中、現在の難波中交差点辺りで試写を行ったとし、それが日本における最初の映画上映だと位置付けている。事実だとすると、日本での映画上映・興行共に大阪・なんばが発祥の地となる。
今回のセミナーは同書を受けての開催。最初の映画上映場所とされるなんばパークスの近く、大阪府立大学I-siteで「日本の映画のふるさと、なんば~シネマ渡来の新事実」と題した武部さんの講演と、活動写真弁士の大森くみこさんによるサイレント映画の上映が行われる。
開催時間は18時30分~20時30分。参加無料だが事前申し込みが必要で、先着100人。参加申し込みは南海電鉄沿線情報サイト「NATTS NET」で受け付ける。