
「DFA アジアデザイン賞 2025」銀賞
2025年大阪・関西万博に出展したUAEパビリオンは、このたび「DFA アジアデザイン賞 2025」において銀賞を受賞しました。同賞は香港デザイン・センターが主催するアジアを代表するデザイン賞で、文化性、創造性、社会への貢献度を有する優れたプロジェクトを称えるものです。本受賞は、会期6ヶ月で延べ500万人以上が訪れたUAEパビリオンの建築デザインが、万博を超えて国際的に評価され続けていることを示すものです。
UAEパビリオンは Earth to Ether Design Collective によって設計され、会期を通して建築・クラフト・ストーリーテリングを有機的に結びつけました。デザインの着想源となったのはナツメヤシの木で、最大高さ16メートルに及ぶ「ナツメヤシの葉軸(ラキス)」を使用した90本の柱が、パビリオン内部に木陰を作り出し、オアシスにたたずむような静けさと温もりを来場者に提供しました。この空間デザインは、パビリオンのテーマである「大地から天空へ(Earth to Ether)」を象徴し、UAEが深い伝統に根ざしながら未来へ向けて歩みを進める姿を体現しています。
また本パビリオンの建築には、UAEの伝統建築と日本の匠の技の協働が随所に見られます。UAEの伝統家屋に用いられる「アリーシュ」の技法を、日本の精緻な木工技術で再解釈し、懐かしさと新しさが共存する独自の造形を生み出しました。この協働は屋外空間にも展開され、日本の里山の植栽とUAEの自然環境の要素を織り交ぜ、異文化の風景が調和するランドスケープを創出しています。さらに、デーツ(ナツメヤシ)の種子やヤシ葉の廃材を活用して開発された新素材「デートクリート」や「デートフォーム」の採用には、持続可能性と責任あるものづくりを追求するパビリオンのデザイン哲学が反映されています。
2025年大阪・関西万博 UAEパビリオン公式代表コミッショナー・ジェネラルであるシハブ・アルファヒム駐日アラブ首長国連邦特命全権大使は次のように述べています。
「今回の受賞は、UAEパビリオンを形づくった意志と協働の成果です。意味を持つ空間を創り、文化交流を促進したいという共通の思いを抱いたUAE、日本、そして世界中のパートナーにより、『大地から天空へ(Earth to Ether)』というテーマに息吹が吹き込まれました。彼らのクラフトマンシップと創造性が、建築を“つながり”の象徴へと昇華させたのです。本受賞は、私たちの国の価値観を映し出したデザインストーリーと努力の結晶であり、“2025年大阪・関西万博で好きなパビリオン”としてUAEパビリオンを選んでくださった500万人の来場者の存在が、その証となっています。」
主催者によると、「DFA アジアデザイン賞 2025」には20以上の地域・国から応募があり、審査は創造性、文化的視点、持続可能性、人間中心のデザイン、地域社会へのインパクトを基準に行われました。このたびのUAEパビリオンの受賞は、その独創的な建築表現が国際的に評価されるとともに、デザインを通じた異文化交流の促進に寄与した点が高く評価されたものです。
本受賞により、UAEパビリオンは2025年大阪・関西万博での複数の受賞歴に新たな国際的評価を加えることとなりました。同パビリオンは万博会期中、BIE(国際博覧会事務局)より「建築・景観部門 国別パビリオン トップ3」に選出され、スタッフ部門ではワールド・エキスポ・アワード最優秀スタッフ賞、持続可能なデザイン部門では優秀賞(Honourable Mention)を受賞。さらに、ワールド・エキスポリンピック(World Expolympics)において大型パビリオン部門のブロンズ賞にも輝きました。これらの受賞は、同パビリオンがデザイン、体験、ストーリーテリングにおいて新たな基準を示したことを裏付けています。
UAEパビリオンは、2025年大阪・関西万博における最も人気の高いスポットのひとつとして6か月間の会期で延べ500万人以上が来場し、「大地から天空へ(Earth to Ether)」というテーマのもと、五感で体験いただける没入型の空間で紡がれる物語を通じて、UAEの人々、文化、未来へのビジョンを来場者に届けました。訪れた人々は、パビリオンの温かいおもてなし、共に未来を築くというメッセージ、そしてUAEの価値観を力強く伝える人間中心のデザインを高く評価しました。



