■中之島~八軒家浜船着場
クルーズ取材のスタートは、中之島の若松の浜から。期待と不安を胸にゆっくりと東に進む船は、水都大阪のメーン会場を横目に見ながら、一路、八軒家浜船着場へと向かう。
八軒家浜船着場では
8月22日から9月27日まで、巨大アヒルのオブジェが浮かべられており、子どもたちは興味津々。カメラで撮影しながら、京橋経済新聞の吉川記者の説明に聞き入っていた。
●大野桃子さん
大川に浮かぶ巨大なアヒル。遠くから見ても存在感のあるこのアヒルは、水都大阪2009のシンボルの一つでもある。9月20日、私たち子ども新聞記者は船上から会場の様子を取材した。印象深かったアヒルはオランダで作られたものだという。高さは9メートル近くあり、オランダやベルギーなどを経て今回、日本に上陸した。
道頓堀川に差しかかった時、船長さんが川の水をすくって見せてくださった。その水は緑っぽく濁っている外見とは違い、透明で私はとても驚いた。光を反射してきらきらと光っていて臭いもまったくしなかった。近年大阪では急速に下水管理が進み、川がきれいになり、アユが紛れ込むまでにまった。世界的にも珍しい、川で囲まれた都市大阪だからこそ、私たちは川を大切にし、川と暮らしていくことが大事だと思った。
(取材の感想)横浜から来た。いろんな新しいことがわかってよかった。大阪は橋が多くて水が意外にきれい。大阪の川を船に乗ってまわったことで、大阪全体の魅力を知ることができた。
●坂井心さん
9月20日に水都大阪の1日記者体験で大阪の川を船で見て回った。出発してすぐにでっかいアヒルを見つけた。このアヒルは、はば8.5メートル、高さが9メートルの子アヒル。オランダのJ・ホフマンさんが作ったそうだ。こんなにでっかくても子アヒルなんてびっくり!!
次に、川の水で実験をした。見た目は、ものすごくきたなそうに見えるのにくんで水を見るとなんとものすごくきれい!!伴さんに聞いてみた。「それは、プランクトンがいっぱいいてそのプランクトンの色が緑色だから、よごれているような色に見えるんだよ」と教えてくれました。このことをみんなが知ってくれたら大阪の水は、きれいということがわかってくれると思います。
(取材の感想)船に乗るのは初めてじゃないけど、川の水を体験したのが面白かった。汚くもないのに汚いといわれているのが悲しい。なかなかできる体験ではない。
■東横堀川~道頓堀川
八軒家浜船着場でUターンした船は、東横堀川を南へ進む。途中、道頓堀川の水位調整のために設けられた水門を通過し、中央大通りの下をくぐるころ、船長さんが川の水をバケツですくって子どもたちに見せてくれた。
「大阪の水は汚い」というイメージが強いが、実際には水は透明であったことに驚いた子どもたちが多く、「臭いがしない」「全然にごっていない」と感想を話し合っていた。
●吉村明日香さん
9月20日、大阪の川を船に乗って取材しました。一番印象に残っているのは、道頓堀の水が意外にきれいだったということです。
川を見ると、緑色で、底が見えません。だから、すごくにごっているという印象でした。でもその水をくんでみると…。まず驚いたのが、水が澄んでいて透明だったということです。緑色のにごりはまったくありません。においも全然しませんでした。
大阪の下水整備は
100%整い、みんなが川をきれいにするように努力してきているそうです。大阪の川の水が、くんでみなくてもきれいだとわかるように水に、早くなればいいなと思いました。
(取材の感想)川の水がきれいだったのが印象的だった。記事に書くということは難しい。
●吉村沙織さん
9月20日、1日新聞記者として、船で大阪の川を見ました。いろいろな川を見たけれど、一番驚いたことは、道頓堀の水を見た時は、とてもにごって汚れているように見えるのに、川の水をバケツですくって見てみると、透明で全然にごっていなくてバケツの底も見えたことです。においもしなくて、びっくりしました。
私が船に乗っている時、橋の上の人に手を振ると、その人たちが手を振り返してくれました。それに、私が手を振らなくても、船を見た人が手を振ってきれて、うれしかったです。
1日記者として、大阪の川を知ることができてよかったと思います。
(取材の感想)。手を振ってくれたのがうれしかった。大阪の人は明るい。文章にするのは難しいけど面白い。船は一度乗ったことがある。今度もぜひ乗りたい。
●小林杏奈さん
大阪の川で私が一番心に残ったことは、大阪の川で一番きたない所を、ペットボトルやバケツに移し見た時、川全体で見たら緑ばっかりできたなかったのにペットボトルに移したらすごく透明で、水道水のようなすきとおった水でした。
ほかにもカッパ伝説と言っていた場所もすごく気になりました。UFOみたいな水をきれいにする物もありました。私は「すごいなあ」と思いました。そんなきたない水のなかでもイワシがピョンピョンはねているのが目に入りました。アユもたまに川に流れこんでくることがあるそうです。私はそれを聞いてビックリしました。またこういう1日体験記者をしてみたいと思いました。
(取材の感想)初めて船に乗って川を下ったので面白かった。地図から見ると道路の下になって映っていない川があったり、不思議なこともあった。
●松田悠花さん
9月20日に、水都大阪で1日記者体験をしました。体験をしてみて、一番印象に残ったのは、川の水と、バケツにくんだ水のちがいでした。川の水を見ると、にごっていて、きたないなあと思いました。でも、バケツにくんで見ると、すきとおっていて、においもくさくありませんでした。
なぜ川を見ると、汚いのに、くんでみるときれいなのが気になりました。途中で、鳥が水面を泳いでいたり、魚がはねていたのできれいなんだと思っていたけど、実際は、きれいでビックリしました。
私は、この1日記者体験をしてみて思ったのは、今まで、なにげなく見ていた川をこうして、あらためて船に乗って、橋のことや川のことを詳しく知れて、楽しかったです。
(取材の感想)いつ作られたとか、いろいろな橋や川のことがわかって良かった。
■道頓堀川~木津川
道頓堀川は、水の回廊でも最もにぎやかな場所。川の両側には遊歩道「とんぼりリバーウォーク」が整備されており、水都大阪の船着場プログラム「大阪ミナミ水都祭り」が開催されている。
水都大阪に合わせて、南堀江のキャナルテラス堀江前に登場した「ソーラー
UFO」にも、子どもたちは関心を持った様子。
●江上実里さん
9月20日、水都大阪の1日体験記者で、川や橋などのことを調べました。
その中で、一番印象に残ったのは、川の水のことです。見た感じ、緑でくさくて、ドロドロできたない感じだったんだけど、バケツですくって見てみると、透明ですきとおっていてにおいもぜんぜんくさくなくて、びっくりしました。川の水は、すくってみないとわからない、と聞いて、本当にそうだなあと、思いました。
次に印象に残ったことは、ソーラーUFOという、UFOのことです。このソーラーUFOは、太陽の光で水をきれいなしています。太陽の光で水をきれいにするなんてとてもエコだと思いました。そのおかげで今は魚が住めるぐらいきれいになった、ということなので、すごく、きれいなんだろうと思いました。
(取材の感想)船に乗って橋の下を見たのは初めて。文章にしにくいこともあったけど、楽しかった。
●西垣萌加さん
9月20日、大阪市の川をみんなで渡りました。心に残る川や場面を紹介します。まず、都会の川についてです。川といえば、いなかと思い浮かぶけれど、都会の川もおもしろいなあと思いました。魚や鳥などもたくさんいたのできたないというイメージがうすまりました。
それに、ソーラーUFOが1日に水を約9,000リットルもきれいにすると聞いて少しびっくりしました。水をそうじする人もいたので、ポイすてはいけないなあとあらためて思います。大阪市の川を今よりもっときれいにできたらうれしいです。
次は、町の景色についてです。大阪の町には、楽しい看板などがたくさんあります。心に残る看板はグリコです。おかしなので興味がわきました。
次は橋の話だけど、道頓堀川の鏡の話に少し笑いました。せっかく鏡を取り付けたけど、逆に見えにくくなったということでおもしろかったです。大阪の川を渡るのは楽しかったです。
(取材の感想)大阪には川と橋がいっぱいあることが分かって良かった。大阪の川は汚いと思っていたけど予想以上にきれいでびっくりした。
●仙石樹くん
9月20日、みんなの経済新聞社で、1日記者体験をしました。川を船で渡っている間、いろいろなものを見ました。船でくぐれなくなったり、くぐれたりする橋や、水位を変える水門に、手を振ってくれる人たちなどです。
その中で一番気になったのは、太陽電池で水を浄化する「ソーラーUFO」です。これはUFOのような形をしていて、その表面にあるソーラーパネルで発電し、その電気で水を浄化するという仕組みで、気になった理由は、減ることのないエネルギーの太陽の光から発電し、浄化するということは、半永久的に浄化し続けることができるということです。
しかも、太陽の光は上にさえぎるものがなければ、どこにでもあります。だからどこでも発電できるので、世界中にこんな考え、システムが普及していけば、エネルギーも使わず、よごれたものを出さない。これこそ、「エコ」につながることだと思います。
(取材の感想)水を入れたり抜いたりする水門の仕組みが面白かった。周りの人に手を振ったら振りかえしてくれたのでうれしかった。
■木津川~堂島川
道頓堀川の西側の水門を通り抜けると、一転して川幅は広がり、海に近く水流は激しくなる。同時に観光船だけでなく、物資の運搬船、ゴミを掃除する船など、業務として活躍する船も係留されているなど、水辺の風景も変わる。
子どもたちは、川岸にいる人たちに向けて手を振りながら、「八百八橋(はっぴゃくやばし)」といわれるほど多彩な大阪の橋を下から眺めるなどし、楽しんでいる様子だった。
●中尾舞さん
9月20日、大阪の川を取材した。大阪の川は一見汚く見えますが、水だけすくいあげて見ると、とてもきれいです。お店などで売っている天然水などと、ほとんど変わらない(大阪の川のほうがきれいかも)透明度です。下水整備100%で水をきれいにしていく、ソーラーパネルで動かすUFO型の機械もあります。そのため、ボラや天然のスズキもいます。少し前に、アユも見つかったそうです。
大阪の特徴はいろいろあります。例えば、大阪の土地の
1割は川の面積です。水深はおよそ3メートルです。橋が低いので船を低く作るのも大阪の特徴です。一番印象に残ったのは、川の上から手を振ってくれる人たちです。大阪の人の心は温かいことがわかりました。みなさんも、大阪の人々に元気と心のあたたかさをもらいに行きませんか。
(取材の感想)知らないことがいっぱいあった。水がきれいだったので、水をきれいにする活動がちゃんと行われているんだということがわかった。
●二見洋平くん
9月20日、大阪の川で取材をしました。印象に残ったのは、4つあります。
1つ目は、高度経済成長期で、都会は川の上に道路を作っていることです。原因は、まにあわなかったかららしいです。2つ目は、道頓堀川に入る時、鏡が貼ってありました。理由は、船と船がぶつからないように貼ってあるのですが、最近はかえって分からなくなったらしいです。
3つ目は、ソーラーユーフォーが、大阪の水を、1日に9000リットルきれいにすることです。ぼくは、このユーフォーをもっともっと増やして、たくさんの水をきれいにしたいです。4つ目は、地盤沈下で土地が川の水位よりも低く名の、堤防を高くしなければならないことです。僕は、このまま地盤沈下をすすめるわけには、いきません。
(取材の感想)いろいろなところに行っていろいろなことを学べた。ソーラーUFOがすごく印象的だった。
●松田郁花さん
9月20日に、水都大阪の1日記者体験で大阪の川を船でめぐった。
一番びっくりしたのは、満潮になると、昭和橋は低すぎて船でくぐれなくなる。一度、満潮になった時を見てみたい。
でっかい子アヒルが川に浮いているのがかわいった。オランダの若手芸術家の、J・ホフマンさんが作った。一度さわってみたい。
昔から大阪の川の水はきたないと言われていて、見た目も、くさそうだしそんな印象だったけど、バケツにくんでみると、「ほんまに今ここですくった水?」と思うぐらいにすごくきれいな透明でした。すごしびっくりした。川にごみを捨てると、全部、淡路島に流れることを知った。
(取材の感想)川とか橋とか興味なかったけど、今日体験したことで興味を持った。またこういう機会があればぜひ参加したい。
「水都大阪2009」は、「川と生きる都市・大阪」をテーマに行われている期間限定のイベント。大阪市内の中之島公園をメーン会場に、「水」に関するさまざまなイベントが実施されている。
今回の「小・中学生1日記者体験」は、そうした大阪の水辺空間の多彩さ、楽しさを子どもたちにも知ってもらいたいということのほか、取材の楽しさ、醍醐味を感じてほしいという思いで企画した。
実際に子どもたちとともに船に乗り取材を行うことで、我々自身も「水の都・大阪」の魅力に引き込まれたとともに、子どもたちの新鮮な視点に気付かされることも多かった。