大阪厚生年金会館(大阪市西区新町1)で11月20日、「世界のCMフェスティバル2009」が開催された。
オールナイトで世界のCMを上映するという同フェスは「CMをもっとワクワク、ドキドキしながら体験しよう」をコンセプトに、「第16回大阪ヨーロッパ映画祭」の関連イベントとして開催された。国際広告祭受賞作品からマニア向けの作品、グローバルブランドのCMから地方限定CMまで、世界各国のテレビCM500本が一挙上映された。
もともと29年前に「広告喰らい放題の夜」としてパリで始まった同フェスは、日本では第1回を1999年に福岡で開催。大阪では2002年に初めて開催された。11年目の開催となる今年は、福岡、鹿児島、東京、金沢、大阪の5都市で開催。オールナイトではないショートバージョンでの開催を含めると、全国13都市で行われる。運営は世界のCMフェスティバル事務局(福岡市早良区)。
22時30分より始まった同イベントは第1部から第5部まで、休憩を挟みながら50分~70分、世界中のCMを一挙に上映した。手の形の板3枚を合わせた小道具「パチパチ」も観客に配られ、拍手の代わりに鳴らす音が会場に鳴り響いた。映画の上映と違い、CMの曲に合わせて音を鳴らしたり、大きな笑い声を立てることも自由。客席にはフェス名入りの風船も多数置かれ、上映中や合間に大きな音を立て割れることも。
上映されたCMは近年の話題のものからモノクロ時代のものまで国内外計500本。ユーモラスなものから、社会問題を提起するものまで、さまざまなジャンルのCMが観客の目を楽しませた。イギリスのリバプール・ストリート駅で400人のエキストラとともに行った「T-Mobile」のダンスCM、チャールズ皇太子やダライ・ラマなどが出演する環境保護のCM、スコッチ・ウイスキー「ジョニー・ウォーカー」の6分27秒ノーカットのCM、ビル・ゲイツさん本人が出演したマイクロソフトのCMなどが人気を博し、ひときわ大きな「パチパチ」の音が会場に響き渡った。
「キンチョール(大日本除虫菊)やサカイ引越センターなどの大阪のCMが好き」だという同フェスプロデューサーのジャンクリスチャン・ブーヴィエさんは「全国の中でも大阪は観客が多い。盛り上がりも良く、こちらも楽しくなってくる。大阪現地のスタッフが45人いるが、夕方の設営開始から深夜の開場までの短い時間に、大量の風船も含め準備をきっちり行ってくれたこともすごくうれしい」と話す。「来年もこの大阪でぜひ開催したい。映像や広告の業界の人だけではなく、一般にも楽しんでいただけるフェスにしているので、来年も会場に足を運んでほしい」とも。