大阪の南船場の神社や店舗などで現在、障害を持つアーティストたちの「プライベート美術館」が開催されている。
同展を開催するのは、障害者のアート活動の支援を行う事業グループ「エイブルアート・カンパニー」。たんぽぽの家(奈良県奈良市)、エイブル・アート・ジャパン(東京都中野区)、NPO法人まる(福岡県福岡市)の3団体が2007年4月に設立した。現在18都府県の49人のアーティストが登録し、同団体のプロデュースにより雑誌や書籍、アパレルアイテムへのアート作品の提供を行っている。
今回の同展では、大阪・南船場でアーティスト15人の作品を展示している。会場は、デザイナー三宅一生さんが手がけるイッセイミヤケのブランドショップ「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」をメーン会場に、浜崎建立現代美術館や神社、アパレルショップ、カフェなど計12カ所。作品は「各店舗のオーナーやスタッフが選んだ」ものを展示しているという。「ELTTOB TEP ISSEY MIYAKE」では同展とのコラボレーション企画「SPECIAL EXHIBITION GIFT」が、今月25日まで行われている。
会場の一つ、難波神社では同神社で毎年飾られている巨大な絵馬を活用。6人のアーティストの作品を神社の境内や壁面に大きく展示している。宮司の前川さんは「営利活動とは違う、街全体で何かしていこうという活動は、これからもぜひ協力していきたい」と話す。「いつもと違う雰囲気の絵馬が境内にあることで、興味をもたれる参拝客も多いのでは」とも。
エイブルアート・カンパニー事務局の柴崎さんは「南船場は店舗の方だけではなく来店客の感度が高いエリア。いろいろな店とともに開催することで、活動を街全体に広げていきたい」と話す。「街が普段よりちょっとだけ楽しくなればうれしい。アート作品をきっかけに入ったことのない店に入ったり、店の人と話すことができれば、また新たなつながりも生まれてくるのでは」と期待を寄せる。
開催は今月25日まで。今月13日13時30分からは難波神社1階集会室で、同団体登録作家の「絵馬を描く」ワークショップを開く。定員は先着50人。参加無料。