南堀江のギャラリー「Galerie petit bois(ギャルリ プチボワ)」(大阪市西区南堀江2、TEL 06-6531-8436)で現在、街をかたどった「街シリーズ」で知られる現代陶芸家・川崎毅さんの個展「第9回New Works-別のかたちに-」が開催されている。
1942(昭和17)年宮崎県生まれの川崎さんは、1968(昭和43)年に東京芸術大学大学院陶芸専攻を修了。1969(昭和44)年、東京都・多摩市に築いた窯から生み出される作品は、大阪市立東洋陶磁美術館(北区)や都城市立美術館(宮崎県)などにコレクションされている。主な作品に、周りの風景ごと街を切り取った「街シリーズ」、匣(はこ)の中に街を表現した「匣街」、純白の白磁に鮮やかな青で絵付けした食器など。現在、東洋陶磁美術館で大型作品約15点を集めた特集展「福島サト子寄贈-川崎毅展」が行われている。2月13日まで。
川崎さんの作品を20年以上にわたって見つめてきた同ギャラリーは、1993年から2年に1回の周期で川崎さんの個展を開いている。川崎さんについて、「毎回雰囲気の違う作品を届けてくれる。黙々と制作を続ける、まさに『淡々と』という言葉がぴったりの作家さん」と語るオーナーの末方恭子さん。大阪で唯一、川崎さんの作品を取り扱っている画廊とあり、川崎さんの個展には女性から男性まで、特に普段あまり訪れない若い層も陶芸の勉強に訪れるという。
同ギャラリーでの個展は今回で9回目。「見る人をホッとさせてくれる『温かさ』、ずっと見ていても飽きない『普遍性』が川崎さんの作品の魅力」と末方さん。会場では、代表作「街シリーズ」の新作6点(16万8,000円~)ほか、街に立つ煙突をモチーフにした「花入れ エントツ」(3万1,500円~4万2,000円)、白磁の「バターケース」(2万7,300円)や「ふたもの」(2万3,100円)など大小さまざまな作品計54点を展示する。
開廊時間は11時~18時30分。日曜・祝日休廊。入場無料。今月29日まで。