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「昔の道頓堀見てや」-関西大学、「大大阪」の風景をCGで再現

戦前の道頓堀を再現したCGムービーの一場面

戦前の道頓堀を再現したCGムービーの一場面

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 大正から昭和初期の道頓堀の風景を再現したCG(コンピューター・グラフィックス)ムービーが現在、関西大学の大阪都市遺産研究センターのホームページで公開されている。

完成した映像の前でほほ笑む藪田貫教授

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 同センターは「大阪の都市遺産を史的に検証し、その継承と発展を目指す」ことを目的に、2010年に設立。江戸時代以降の大阪がどのような景観変遷を経験しているかを、マクロとミクロの視点で解き明かすとともに、可視化したCG映像を制作している。

 道頓堀の再現映像を制作した経緯について、同センター長・藪田貫教授は「今の大阪に住む人たちにとって身近な時代を選んだ。大阪には大阪城など他にもたくさんのエリアがあるが、道頓堀は面的な広がりがあり、その雰囲気をぜひとも再現したかった」と話す。藪田教授が研究代表者として推進、同大総合情報学部の林武文教授らがデジタル部分を担当しCG化を行った。CG化という手段については、「もともと古い大阪を人文科学などの観点から紹介することに努めてきたが、今回はもっとわかりやすく可視化することを考えた。歴史的な景観を地元の方にお見せして、例えば年配の方々には“思い出してもらう感覚”を与えたかった」(同)とも。

 今回制作されたCG映像は3分間強のものが2本。「大大阪」と呼ばれ活況を呈した大正から昭和初期において、御堂筋から堺筋までの道頓堀約500メートルを東西に往復。左右にはカフェ・パウリスタ、春陽館、キャバレー・ヅ・パノンなど、当時人気を博した店舗や芝居茶屋も見て取れる。中でも「大阪五座」と呼ばれた浪花座、中座、角座、朝日座、弁天座の5つの芝居小屋が、カラフルな旗やちょうちんで再現され、当時の雰囲気を伝える。左右に流れる風景とともに解説のナレーションが入り、ガイドの説明を受けながら道頓堀を散策している気分が味わえる。

 制作にあたっては、当時発行されていた雑誌「道頓堀」や絵はがきなど多くの資料を集めたという。「道頓堀の商店街の方に披露したところ懐かしむ声が多く、とても興味深く見てもらった」と話す。「今後は、大阪のほかのエリアに関してもどんどん可視化を進めていきたい」と意気込む。

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