大阪市の敷津小学校(大阪市浪速区敷津東3)で8月3日、地震に備えて市民らが避難所を開設する訓練が行われ、浪速区民らが参加した。
南海トラフ地震や直下型地震に備えるべく、同校と同市敷津連合振興町会、浪速区役所、地域諸団体らが連携し実施した。同校では5月から6回にわたって、防災コーディネーターによるワークショップを開催。地震の際に地域住民たちが、自分たちの手で小学校に避難所を開設できるようになるのを目標に、校区内の危険箇所のチェックや避難時の役割分担などを行ってきた。今回はその成果の場として、同校に避難所を開設するシミュレーションを行った。
当日は夕方から、グラウンドに地区ごとに分けた受付を設置。それぞれの地区から避難訓練に集まった住民たちは、リーダーの指示のもと受付を済ませると体育館へ移動。その他救護所や炊き出しなども設置され、けが人の処置などの練習が行われた。地域住民に対しては、体育館でご当地ヒーロー地球戦士ゼロスによる防災○×クイズが実施されたほか、消防隊員による煙体験、消火器体験などが行われた。
大阪市の公募で4月に同校長に就任した山口照美さんは、同校区について「普段から地域の連携が取れている、熱心な地域だと思う」と話す。今回の避難所開設訓練はさらなる連携を図り、防災意識を高める目的で実施した。「有事の際には教職員が校舎にいないことも想定される。そんな時、住民たちの手でいかに迅速に避難所を設営できるかが大事」と話す。参加した地域の男性は、「普段からの準備が重要だと思う。いろいろなことが確認できたのでは」と振り返った。