スイスホテル南海大阪(大阪市中央区難波5)で10月10日、2015年の開業に向けて準備が進められている「道頓堀プール」の事業計画が発表された。
道頓堀開削400年となる2015年に向けて、地元企業や商店街関係者などが準備を進めている「道頓堀プール」。大阪ミナミの中心地を流れる道頓堀川の戎橋付近の東西800メートルにわたり、川幅(11メートル)いっぱいの布函(ふかん)式(=箱状の布)の水槽を浮かべ、1万トンの水道水を注入する「世界最長の遊泳用プール」を中心に、イベント、芸能、飲食など周辺施設と連携したイベントや観光プログラムを展開することで、世界中から観光客の誘致を目指す。
大阪府市統合本部特別顧問で元経済企画庁長官の堺屋太一さんが「大阪10大名物構想」の中の「最重点項目」と位置付け、昨年7月31日に基本構想を発表したもの。今年4月1日には地元関係者ら14人が発起人となり、準備会社「道頓堀プールサイドアベニュー設立準備株式会社」(道頓堀1、資本金1,400万円)を設立。道頓堀商店会会長で、うどん店「道頓堀今井」(同)社長の今井徹さんが社長に就任し、事業計画やプールの詳細について取りまとめ作業を進めていた。
事業計画発表で、総合プロデューサーの堺屋さんは「1年余りにわたり計画を進めてきた。今日の発表内容で、技術的な問題、美的な問題、経済的な問題は大体クリアできた。実現すれば大きな効果が得られる。少なくとも2020年までには15日間の東京オリンピックより大きな経済効果が確実に出る」としたうえで、採算性については「十分に成り立つ」と話した。
質疑応答では、「アンケートで8割の人が『道頓堀プールに入りたくない』と答えている」ことについて指摘された今井さんは「いまだに道頓堀が汚い、怖いというイメージがあるが、大阪には880万人の人がいる。そのうちの2割の人が来てくれたら、事業計画を大きく上回る来場者となる」と答えたほか、資金計画については「年内には大企業3社、中小企業数社からの事業への参画または出資を得たい」とし、「来年中には事業費の約40億円を調達したい」と明かした。