商売繁盛の神様「えべっさん」として親しまれている今宮戎(いまみやえびす)神社(大阪市浪速区)の「十日戎(えびす)」が1月9日~11日に行われているのに合わせ、10日朝、福娘らを乗せた宝恵駕籠(ほえかご)行列が同神社に向けて出発した。
元禄(げんろく)期、南地の芸妓(げいこ)が船場の旦那衆の代わりに同神社に参拝したことから始まった新春の恒例行事で、現在はミナミの各商店街らが参加する宝恵駕籠振興会が主催する。芸妓、福娘のほか役者、タレントなどが宝恵駕籠に乗り込み、同神社への参道だった「戎橋」を中心にミナミを練り歩く新春の風物詩。
道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で10日朝、出発式が行われ、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」に出演中の高畑充希(みつき)さん、上方落語協会会長の桂文枝さん、日本相撲協会の貴乃花光司さん、日本舞踊上方舞山村流家元の山村若さん、なんばグランド花月で開催中のブロードウエーショーに出演中のヒントン・バトルさんら各界の著名人があいさつした。
冒頭に宝恵駕籠振興会の今井徹実行委員長が「今年は午(うま)年。何をやってもうまくいく」とあいさつすると、嘉門達夫さんは「来年は道頓堀開削400周年。ここにプールができるかどうか正念場を迎えている」とコメントした。
その後、宗右衛門町の元・南地大和屋前(現・ホテルビスタグランデ大阪前)を出発した行列は、「ほえかご、ほえかご」の掛け声と共に道頓堀、戎橋などを南下。昼ごろに今宮戎神社に到着した後、再び北上し、神職や福娘らとともにミナミの各所に福ザサを授け歩く。