NPO法人「トイボックス」(大阪市西区北堀江2)が運営するダウン症の子ども向けダンススクール「ラブジャンクス」(同)で12月26日、「ダウン症って不幸ですか?」の著者、姫路まさのりさんが講演を行った。
毎日放送「ちちんぷいぷい」などの放送作家として活躍する姫路さんは、中学生のころテレビで見たダウン症について関心を持った。「『ダウン症なのに絵がうまい』という紹介の仕方に違和感を持った」と姫路さん。5年前から同スクールに関わるようになり、「ダウン症の人も普通の人と変わらない。テレビはどうしても、何かに秀でていたり、有名人の子どもであったりと、特別な事例を取り上げるが、普通の人の普通の話を伝えたい」と、同スクールに通う子どもたちなどの取材を始めた。
取材を基に、朝日放送ラジオで「ダウン症は不幸ですか? ~今こそ伝えたいご家族の想い」を放送したところ、2014年の日本民間放送連盟賞・ラジオ報道番組部門の最優秀賞を受賞。昨年11月7日、「ダウン症って不幸ですか?」(宝島社)として書籍化した。
高齢出産の増加に伴い、近年、ダウン症の出生率が増加している一方、2013年に始まった新型出生前診断により、ダウン症が判明すると中絶を選択する夫婦が増えているという。姫路さんは「出生前診断は本来、生きる道を早く照らしてあげるためのものだと思うが、実際には生きる道を閉ざしてしまうものになってしまっている。ダウン症を知ってもらい、ダウン症児と健常児の子育てや教育にそれほど差異がないことも知ってほしい」と呼び掛ける。