なんばの地下街「なんばウォーク」内クジラパークで9月15日、古代から現代までの「美人」を研究するプロジェクト「美し記~utsukushiki~」の発表会が行われた。
同プロジェクトは、なんば駅から約40分の場所にある、奈良大学の学生たちによるもの。縄文~古墳、飛鳥・奈良、平安、大正、現代の5つの時代を7テーマに分け、美の価値観を教授とともに研究。当時の象徴的な女性像を、髪型、化粧、衣装とともに再現し、学生自らがモデルとなりファッションショー形式で発表を行った。
黒に赤の刺しゅう入りの麻の衣装をまとった縄文時代、巫女(みこ)の埴輪(はにわ)から髪型や化粧を再現した古墳時代、三日月型の眉に、まげのような髪型が印象的な奈良時代、谷崎潤一郎の作品「痴人の愛」のヒロイン「ナオミ」を洋装・和装で再現した大正時代、あえて飾らないことで「かわいい」を表現した現代、の5つの時代の美人像モデルが登場。会場を沸かせた。
埴輪のかけらや当時の資料などから、古墳時代の美人像を再現した、奈良大学文化財学科4回生の青木祐希さんは「ガラス玉を含め、すべて手作りしたので大変だった」と振り返る。奈良県周辺の駅7カ所で、行き交う人々のファッションを調査した白濱雅也さん(地理学科4回生)は「奈良から大阪へ行く人、京都へ行く人の服装だけでも大きな違いがあった。今後より研究を深めていきたい」と意気込む。
同研究は映像作品として同日、奈良大学ウェブサイトで公開した。映像の人物デザインは、大河ドラマや、数々の歴史映画を担当している、人物デザイナーの柘植伊佐夫さんが監修を務めた。26日からテレビCMも始まる予定。