バングラデシュ製の手作りバッグなどを企画・販売するマザーハウス(東京都台東区)が9月19日、大阪・南船場に関西初出店する。
バングラデシュはアジア最貧国の一つとされ、洪水などの自然災害や政治汚職などで1人あたりGDPは487ドル(2006年度)。同社の山口絵理子社長が大学時代にバングラデシュを訪れたことがきっかけとなり、23歳で起業を決意、バングラデシュの主要産品だった麻の一種「ジュート」を使ったバッグを企画・販売する事業を立ち上げた。現在はバングラデシュにある自社工場と提携工場でジュートや牛革のバッグのほか、財布、ポーチ、コインケースなどを企画・製造し、日本国内で販売する。
同社は現在、東京都内に3店舗、福岡に1店舗を展開しているが、以前からネット販売では大阪からの注文が多く、大丸心斎橋店など百貨店の催事販売でも人気が高かったことから、大阪への出店を模索していた。メーンターゲットが20~50代の男女で、「堀江は年齢層が若かったことと、南船場はビジネス街にも近く、会社員の来店も見込める」(同社の中島梨恵さん)ことから、出店場所を南船場に絞り込んだ。
8月半ばから同社スタッフ自らが内装工事を始め、9月19日にオープンの予定。同社ではすべての路面店を自社スタッフが手作りしており、デザインや床の張り替え、塗装、什器の設置などを行う。「手作りにこだわっているという自社の世界観を出したい」(中島さん)。「商品だけでなくその背景にあるストーリーも伝えたいので、接客時間は1時間ぐらいお話しさせていただくことも多い」(同)とも。
人気商品は、メッセンジャータイプのバッグ「エッジメッセンジャー」(17,200円)。ジュートを外側に折って縫うことで独特の立体感を表現した。同形状で牛革を使用した「レザーメッセンジャー」(35,000円)も。大阪店では工事中期間も同店限定の商品を販売する。