南海難波駅の「ガレリアコート」で3月20日、ジャズライブ「ミナミ・ジャズ・ウォーク 駅ライブ 2010 SPRING」が開催された。主催は大阪・ミナミの街づくりと活性化を目指す「ミナミまち育てネットワーク」。
同イベントは、「ジャズを通してなんば広域につながりをつけよう」(実行委員会)と、日本のジャズ発祥の地といわれる大阪・ミナミと、難波と世界をつなぐ玄関口である関西国際空港で同時開催したもの。かつて街中のダンスホールやカフェでジャズが演奏されていたという大阪・ミナミを再び「ジャズのまちミナミ」としてよみがえらせようと、10年前から活動を続ける「MINAMI JAZZ WALK」が、南海電鉄とミナミまち育てネットワークの協力を得て実現した。実行委員を務めた南海電鉄・難波街づくり推進室課長の和田真治さんは「来年はなんばと関西空港間を結ぶ『ジャズトレイン』も一つの案として考えている」と2回目の開催に向けても前向きに検討中と話す。
なんばガレリアでは、道頓堀ジャズクルーズでも活躍する「ニューオリンズ・ジャズ・トリオ」が軽快な「ディキシーランドジャズ」を、関西空港では「高橋知道カルテットwith高橋リエ」がスタンダードナンバーを、それぞれ30分間(全3回)演奏を披露した。吹き抜けの「ガレリアコート」ではジャズの音色が南海難波駅まで響き渡り、各回約100人が足を止めて演奏に耳を傾けた。
MINAMI JAZZ WALKのプロデュースを手掛けるクラリネットプレーヤーの吉川裕之さんは、「『ジャズのまちミナミ』というイメージを広めていくには、こうした公共の場やライブハウスなどでどんどん演奏し、『ミナミでジャズライブをやっている』という認識を街の人に持ってもらうことがとても重要」と話す。そのためには、今回会場の提供から準備、運営まで全て担当した南海電鉄のような「街を育てていこう」という気持ちを持った「街のさまざまな人の協力が必要」とも。ジャズには「街・企業・商店街・ミュージシャン・街の人、それぞれの壁を破りつながりをつくってくれる力がある」といい、こうした活動を通して「大阪を元気にしていきたい」と意欲をみせる。