観光名所としても知られる、大阪・ミナミのシンボル「戎橋」の架け替え工事が11月22日に完成し、記念式典が開催される。
新しい「戎橋」は、デザインコンペにより国内外からアイデアを募り、最優秀作品に選ばれた小野泰明さんの作品を採用した。ミナミのにぎわい創出する丸い形のバルコニーを橋上に設置、通行機能に加え憩いや集いの場としての利用を図るほか、水辺遊歩道「とんぼりリバーウォーク」へ直結するスロープと階段の設置により道(橋)と川面のつながりを強め、「水都らしさ」を演出する。橋の下面には円形のLEDを施し川面に光の輪が映るようにしたほか、大正時代の橋の一部分を保存するなど、「歴史と文化を継承した」(関係者)ものとなった。
「戎橋」は、1615年の道頓堀川の開削とほぼ同時に架けられたといわれる。現在、周辺は商店街や飲食店、グリコ看板やくいだおれ人形などが並ぶ観光名所となる反面、キャッチセールスや勧誘が多く、阪神タイガース優勝時にはファンが川に飛び込むという問題も発生していた。今回3年半をかけて行われていた架け替え工事を終え、15代目が誕生する。
竣工日には記念式典が開催され、竣工記念「和太鼓」の演奏、主催者や関係者による挨拶やテープカットの後、実行委員会、商店街のキャラクター、音楽隊、一般参加者などによる「渡り初め」が行われる予定。「渡り初め」は11時30分から。
戎橋の関係者は「生まれ変わった『戎橋』が、飛び込みやナンパの名所ではなく、出会いや待ち合わせの場所として、新しい『なにわ情緒』を感じるシンボルになることを願っている」と期待を寄せる。