大阪市立中央図書館をはじめとする大阪市立図書館が1月20日、電子書籍のサービスを始めた。各図書館内の端末だけでなく、自宅のパソコンからも無料で利用できる。
電子書籍として利用できるのは、専門の事典、古典、大阪関連の資料、資格・ビジネス本などの和図書約350タイトルと英語図書約3500タイトル。利用には図書館カードとパスワードが必要。中央図書館をはじめ大阪市立の図書館内に設置された専用端末「OMLIS(オムリス)」や、自宅のパソコンからアクセスして利用する。同時に1人しか閲覧できない。電子書籍の強みとしてタイトルをすぐに検索できるほか、全てのタイトルの中から該当の単語が入っている図書を全て選び出す「全文検索」も可能となる。
同様のサービスは東京都千代田区や大阪府堺市、和歌山県有田川町などで実施しているが、「全国でもまだ珍しい」と同館担当者。日本の各出版社が電子書籍サービスを導入してしばらくたつが、個人への販売と異なり、図書館での活用にはクリアしなければならない問題が多くあるという。「もともと商用データベースなどを活用し、ネットの導入には気を配ってきた」同館だが、「電子書籍業界自体が手探りなのと同様、私たちも『まずは導入してみよう』という考えで動いてみた」と話す。
アメリカのEBSCO社が運営する「eBook Collection」のシステムを利用。自宅からの利用の場合、同館ホームページ左側のメニューから「電子書籍」をクリックし、図書館で登録したカード番号とパスワードを入力することで書籍一覧のサイトに移動する。書籍はパソコンやタブレット端末(一部動作確認中)で閲覧できるほか、印刷も可能(1冊につき60ページまで。透かしと図書館の電子書籍である文字が印字される)。「事典など、個人での購入をためらってしまう書籍の閲覧に活用していただきたい。書籍の全文から検索できるので、目当ての図書だけでなく、『調べたいことがこんな本にも載っているんだ』という新たな発見もあるのでは」。
同館では2月18日、同サービスの使い方を案内する講座「電子書籍はじめのいっぽ」を開く。定員50人。無料。