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市民団体が旧精華小学校の利活用プラン提示-建物保存案を探る

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

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 大阪・難波駅近くにある旧精華小学校(大阪市中央区難波3)校舎の利活用について考える市民団体「精華校園利活用事業コンソーシアム」は8月26日、天王寺区民ホール(天王寺区)で「SEIKA市民フォーラム2012 ~精華小学校保存活用の可能性~ 大大阪モダンタイムスクエア」を開いた。

パネルディスカッションでは「大大阪モダンタイムスクエア」の模型写真を披露した

 1929(昭和4)年に建築された鉄筋コンクリート造りの校舎は歴史的、文化的に高い価値を持つ。統廃合により1995年に廃校となった後、イベントや市民学習ルーム、精華小劇場などとして市民に開放されていたが、大阪市の公有地処分の一つとして2014年3月までに売却する方針が決定したことから、昨年3月でこれらの利用を終了した。

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 同フォーラムは、同校卒業生や一般市民ら200人余りが参加して行われた。冒頭、同団体の能口仁宏さんが「平松市長の時に売却することが決定されたが、橋下市長になってからプロポーザル方式による売却方針となり、大阪市民のためになる案にしか売らないということになった。地元の跡地協議会からも要望書が出た。われわれとしては建物を残し、何かいい形で大阪の活性化につながる跡地として利用したいと思っている」とフォーラムの趣旨を説明した。

 基調講演では、日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介さんが、人口動態を用いて日本や大阪の現状について説明。「精華小学校は市の財産なので、市が勝手に処分することもできる。その場合、九分九厘、パチンコ屋になっていたと思う」「京阪神大都市圏は、規模は世界最大級なのに、同規模の世界の他都市に比べ、集客力が弱い。必要なのは、文化と商機(ビジネスチャンス)」「生産年齢人口が減り、外に出歩く人が減り始めている。ミナミがわざわざ電車に乗って来てくれる街である必要がある」「露天市のにぎわい、人の住む商店街の温かさ、おしゃれして繰り出せる個店や飲食店、人と触れ合って過ごせる街が求められている。みんな自分の居場所が欲しい。精華小学校を、大阪の人たちの居場所にできれば」などと話した。

 その後、京都新風館・佐々木伸也副館長による事例報告などのほか、ケイオス・澤田充社長、和歌山大学理事・副学長でインターアクトの帯野久美子社長、関西ウォーカー・玉置泰紀編集長、佐々木副館長、同コンソーシアム事務局の野杁育郎代表をパネラーに迎え、パネルディスカッションが行われた。「外から来る人にとっていいのは、地元の人が気に入って使いこなしているもの」(澤田さん)、「博物館的なものではなく、古いものの中で新しいものを見せていくことがミナミのテーマ」(帯野さん)、「まちづくりのヒントは通天閣にある」(玉置さん)、「京都から大阪を見ると、キタに集中している。ミナミは沈んでいるという中で、精華小学校が一つの起爆剤になると思う」(佐々木さん)などと話した。

 同コンソーシアムからは、同校の利活用案として、校庭の東側に別棟を増築した上で、教室を利用したレストラン、校庭をスケートリンク、イベント会場、ガーデンカフェ、屋外シアターなどとして活用するプランが提示された。