南海電鉄は2月26日、2015年度からの新中期経営計画「深展133計画」を取りまとめた。
同社が2011年度~2014年度の4カ年にわたり進めてきた中期経営計画「凛進130計画」では、同期間を「事業の『効率性追求』と『拡大と成長』に取り組み、事業構造の変革を成し遂げる4カ年」と位置付け、泉北高速鉄道グループの株式取得など事業基盤の拡大を図る一方、生産性向上などの効率化の追求に取り組んだ。その結果2014年度の連結経常利益が目標の130億円に対して199億円と、目標を大きく上回る過去最高益を見込むほか、連結有利子負債も10倍台の目標に対し10.0倍と目標を達成する見込みとなった。
「深展133計画」では、沿線人口の構造的なダウントレンドや少子高齢化の進展、エリア間競争などへの対応が求められると分析。一方ビジネスチャンスとしては、泉北高速鉄道のグループ化による沿線エリアの拡大、物流事業(流通センター事業)への進出、なんば再開発の進捗(しんちょく)、関西国際空港を利用するインバウンドの増加などを挙げ、「さまざまな分野において成長の可能性を持っている」としている。
最重点項目として掲げるのは、「泉北関連事業の強化」「関空・インバウンド事業の拡大」「なんばエリアの求心力向上」の3点。このうち「なんばエリアの求心力向上」については、南海ターミナルビルを再生し、「新南海会館ビル」(仮称)として建て替える計画を中心に据える。同ビルは高島屋となんばパークスの間に位置し、なんばターミナルの中心に位置する。地上30階、地下2階の高層ビルで、オフィスのほか、ホール・カンファレンス、メディカルセンター、金融サービス、商業施設を備える計画。総事業費は400億円で、2018年9月の竣工を予定する。延べ床面積は約7万5700平方メートル。