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大丸心斎橋店本館、建て替え後も御堂筋側の外壁は残す方針

御堂筋側は現在の外観を残す。セットバックする高層階部分の詳細は未定

御堂筋側は現在の外観を残す。セットバックする高層階部分の詳細は未定

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 J・フロントリテイリングは9月11日、大丸心斎橋店本館(大阪市中央区心斎橋筋1)の建て替え計画に関する保存検討委員会の検討結果を発表した。

現在の大丸心斎橋店本館

 同社と子会社の大丸松坂屋百貨店では、かねて旗艦店である大丸心斎橋店本館の在り方について、建物の安全性の向上、次世代に求められる新しい百貨店の創造、建築物の歴史的文化的価値の継承を念頭に、検討を重ねてきた。7月24日に開催した取締役会で建て替えそのものについては決議をしており、本館は12月30日をもって営業を終了、解体工事に入ることが同日発表されていた。

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 本館はヴォーリズ建築事務所の設計、竹中工務店の施工により1922(大正11)年と1925(大正14)年に竣工した鉄筋コンクリート造6階建ての心斎橋筋側部分と、1933(昭和8)年に竣工した鉄骨鉄筋コンクリート造8階建ての御堂筋側部分により構成されている。外観については、心斎橋筋側(東面)はネオ・ルネサンス様式、御堂筋側(西面)はネオ・ゴシック様式を基調とし、最上階と1階外壁を石とテラコッタ張り、中間階外壁を濃茶色タイル張りとする3層構成となっている。

 1945(昭和20)年3月の戦災で5階以上を焼失し、戦後に復旧と8階増築をしたほか、昭和40年代には南北面を中心に増築、外壁面改修、店内エレベーターの設置など、これまで27段階による増改築を経ており、耐震改修も数度にわたり行ってきた。過去の図面や写真などによる調査の結果、外観については御堂筋側と、これに連続する大宝寺通側、清水町通側が戦前の全体像をとどめている一方で、心斎橋筋側の外壁は当時のものから変更されていることが分かった。

 これらのことから保存検討委員会では、御堂筋側の外壁を現位置で残す計画とするほか、新築する高層部をセットバックし、保存外壁との景観的調和を図ることなどを提言。さらに、地下道の改修により心斎橋駅から心斎橋筋商店街へのバリアフリー動線の確保などを求めた。今後は1階を中心とした内装など空間の保存についても引き続き調査を行うとしている。

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