高島屋大阪店(大阪市中央区難波5)7階グランドホールで9月28日、展覧会「原安三郎コレクション 広重ビビッド」が始まった。
日本財界の重鎮として活躍した日本化薬会長・原安三郎(1884-1982)が集めた約2000点に及ぶ浮世絵コレクションから、歌川広重(1797-1858)晩年の代表作の「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」を中心に、葛飾北斎(1760-1849)の「富嶽(ふがく)三十六景」「千絵の海」、歌川国芳(1797-1861)の「東都名所」など約230点を前期と後期の2期に分けて展示する。
今回展示する浮世絵は、「初摺(しょずり)」と呼ばれるすりの中でも特に初期に摺られたもので、保存状態が極めていいものばかり。特に「六十余州名所図会」と「名所江戸百景」を全点公開するのは関西では初めてと貴重なもの。作品のほとんどには現在のその場所を撮影した写真を添えており、見比べて楽しむことができる。
「広重ブルー」といわれる鮮やかな藍色をはじめ、初摺ならではの微妙なグラデーションや版の木目まで見ることができる作品も多い。「六十余州名所図会」の「江戸 浅草市」と呼ばれる作品は「初摺(しょずり)」と「後摺(あとずり)」を並べて展示し、同じ作品にもかかわらず色合いや仕上げが異なっていることが分かる。
「雲母摺(きらずり)」と呼ばれる、キラキラと光る「雲母(きら)」の粉を振りかけた作品も多い。雨にぬれた家屋や岩肌などに「雲母摺」が施されており、見学時にかがんで作品を下から見るとキラキラと光っていることが分かる。
前期は10月7日まで、後期は10月8日~17日。営業時間は10時~20時(9月30日~10月2日・8日・9日、14日~16日は20時30分まで、10月7日と17日は17時まで)。入場料は、一般=800円、大学・高校生=600円、中学生以下無料。