吉本興業(大阪市中央区難波千日前)は11月22日、大阪市と市民サービスの向上と地域活性化推進を目的とした包括連携協定を締結した。大阪市がエンターテインメント分野の企業と同協定を結ぶのは今回が初めて。
締結式で書類にサインする吉村洋文大阪市長と吉本興業の大崎洋社長
両者は同日、大阪市役所で締結式と記者発表を行った。締結式には吉村洋文大阪市長と吉本興業の大崎洋社長が出席。吉村市長は「笑いで大阪を元気に、地域活動を活性化していきたい。また万博の誘致も盛り上げていきたい」、大崎社長は「外部環境が大きく変わる時代の中で、笑いや笑顔、明るさが何よりもパワーになる」とあいさつした。今後、吉本興業の「笑い」を通じた地域の活性化や、「わかりやすく伝える力」による市民サービスの向上など推進していく。
具体的な取り組みとして「大阪市24区住みます芸人」プロジェクトを発表。大阪市内の24区各区に吉本芸人が実際に住んで、地域活動協議会による「ふれあい喫茶」や高齢者の食事サービスに出向いての演芸会の開催、「いきいき百歳体操」の普及啓発、防犯パトロールとの連携、地元メディアやフリーペーパーとの連携などを通じて、地域を盛り上げていくという。
そのほか、桂文枝さんが24区それぞれの特色を盛り込んだ創作落語を制作する「24区創作落語プロジェクト」を発表。住之江区を皮切りに、順次、各区の歴史や伝承などをもとにした創作落語を制作し、各区の区民センターなどで披露するほか、映像化し映画祭への出品もしていきたい考え。桂文枝さんは「大正末期から昭和の初め、大阪は『大大阪』と呼ばれた時代があった。夢を再び、大大阪にするために若い皆さんと手を組んで大阪を盛り上げ、万博誘致につなげたい」と締めくくった。