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「新桜川ビル」が「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」総合グランプリに

「新桜川ビル」の全景。手前を阪神高速が走る(写真提供/Arts&Crafts)

「新桜川ビル」の全景。手前を阪神高速が走る(写真提供/Arts&Crafts)

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 大阪・桜川駅前にある「新桜川ビル」(大阪市浪速区桜川3)が、リノベーション住宅推進協議会が主催する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2017」で総合グランプリを獲得した。

建築当時の「新桜川ビル」

 リノベーション・オブ・ザ・イヤーは、同協議会に加盟する700社以上の企業の施工例から1年を代表するリノベーション作品を価格帯別に選別するコンテスト。総合グランプリを獲得した新桜川ビルは、新なにわ筋と千日前通りの南東角に位置する扇形のユニークな建物。もともとは建物裏側にあった市場へのゲートとしての意味合いもあり、1階部分は通り抜けることができるようになっていたという。鉄骨鉄筋コンクリート造の4階建て、延べ床面積は1129平方メートル。

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 1・2階部分が店舗、3・4階部分が住宅という「併存住宅」として建てられてから50年以上が経過し、場当たり的な修繕や自由なテナント工事が行われ、往時のモダニズム建築の美は身を潜め、空き室も目立つようになっていた。そこで同ビルの所有者が、ユニークな物件を紹介するサイト「大阪R不動産」を運営するアートアンドクラフト(大阪市西区京町堀)に相談。同社がリノベーション企画・施工・リーシングを手掛けることになった。

 リノベーションにあたり過剰な投資は控え、共用部分の床材を当時の雰囲気に近くなるようにエイジング処理するなど配慮した。一方で配管などを整理したり、男女共同だったトイレを男女別にしたりするなど使い勝手を改善した。工事は2015年7月~11月の1期(共用部分、2階テナント区画)、2016年4月~2017年2月の2期(3・4階住居区画)に分けて行った。大阪R不動産で入居者募集を行ったところ、工事前は半数以上が空き室だったビルが満室になり、空き室待ちまで出る人気物件となった。

 総合グランプリの獲得理由として、同社では「老朽化したビルの設備の刷新を行った技術力、過剰な投資を行わず必要最小限の工事にとどめつつビルの魅力を引き出したデザイン力、個性的なテナントを誘致したマーケティング力」などを挙げる。同社広報担当の土中萌さんは「価値ある建物のリノベーションに携われて光栄だ。入居者は感度の高い人も多く、われわれとしても思い入れのある物件で、グランプリを獲得できてうれしい」と話す。

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