心斎橋周辺に、カラフルな外壁に塗り替えられたビルが続々と登場している。
デザインしたのはアメリカ村のシンボル壁画「ピース・オン・アース」で有名な黒田征太郎さん。不動産業や飲食業を展開する「おおきに商店」(大阪市中央区)が管理する「おおきにキニキニビル」(中央区東心斎橋1)、「おおきにサイタサイタビルヂング」(西区北堀江1)、「おおきになんでやねん。ビル」(中央区西心斎橋1)の3棟をリニューアルする際に、外壁のデザインを黒田さんに依頼した。
3棟のビルはいずれも築年数が古く、植松俊之社長は「古い建物を新築のように塗り替えてもバランスが悪い。インパクトのある外装にしたかった」と話す。2019年6月に施工した「おおきにキニキニビル」には、羽のついた人型の生物「鳥人」が多く描かれ、通行人の目を引いた。
同年10月にリニューアルした「おおきにサイタサイタビルヂング」は花や草を多く描き、西側の壁をオレンジ色に、南側の壁は赤色や黄色などを使ってカラフルな外観に仕上げた。12月にリニューアルした「おおきになんでやねん。ビル」は黄緑色で塗り替えられ、描かれた星や魚が「ピカピカやで」「ミズを大切にしようぜ」などのせりふを話す。ビルの名称はいずれも黒田さんが付けた。
1939(昭和14)年、道頓堀生まれの黒田さんはデザイン事務所勤務を経て渡米後、日本に戻り、グラフィックデザイナーの長友啓典さんとデザイン事務所ケイツー(東京都港区)を設立。2016(平成28)年には心斎橋BIGSTEP(中央区西心斎橋1)地下2階にギャラリー兼アトリエをオープンした。