SHIBUYA109エンタテイメント(東京都渋谷区)が運営する若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」とCCCマーケティング(同)は2月18日、大阪「ミナミ」と「キタ」の女子大生(JD)の消費実態やファッションなどに対する意識を比較調査した結果を発表した。
大阪ミナミエリアJD(CCCマーケティング/SHIBUYA109 lab.共同調査)
同調査は昨年9月に東京4都市(渋谷・原宿・新宿・池袋)で比較調査を実施した第2弾。調査対象は共通ポイントサービス「Tカード」会員で、ミナミ=なんば駅・心斎橋駅・天王寺駅、キタ=梅田駅周辺に行動履歴を持つ19~22歳の女性。2018(平成30)年11月~2019年10月に映画レンタル・書籍を販売する「TSUTAYA」の利用データ、2019年12月20日~2020年1月6日に実施したインターネット調査(ミナミ=129人、キタ=154人)やグループ・街頭インタビューから、エリアごとの特徴を分析した。
来街目的の質問に、キタ・ミナミ共に「買い物(ファッション)」(ミナミ=54.3%、キタ=66.2%)や「友人と会う」(ミナミ=44.4%、キタ=50.0%)が上位を占めたが、ミナミは「食べ歩き」(ミナミ=27.2%、キタ=22.7%)、「カラオケ」(ミナミ=18.5%、キタ=13.6%)、「ライブ」(ミナミ=12.3%、キタ=8.4%)の数値がキタよりも高く、エンターテインメントを目的にミナミを訪れる傾向がある。
「お金をかけていること」の質問では、来街目的と同様に、ミナミは「食べ歩き」(ミナミ=27.1%、キタ=22.7%)、「カラオケ」(ミナミ=25.6%、キタ=22.7%)や「遊園地・テーマパーク」(ミナミ=17.8%、キタ=11.7%)などの数値がキタよりも高く、友人同士で集まるイベントへの支出が多いことが分かる。キタは「スキンケア・美容」(ミナミ=24.0%、キタ=29.2%)「エステ・脱毛」(ミナミ=8.5%、キタ=16.2%)など、「外見的な自分磨き」への支出が多い傾向があった。
ファッションに関する意識調査では、「従来のスタイルや型にはこだわらない服装をする」(ミナミ=41.9%、キタ=29.9%)、「周りの人とは違った服装をする」(ミナミ=30.2%、キタ=28.6%)の数値がキタよりも高く、人とかぶらないこだわり持つ。独自性を重視する傾向は東京・渋谷と類似する。ミナミと渋谷は、百貨店・ファッションビル以外に、街に古着屋や個性的なアパレルブランド店が点在するという共通点もある。
一方、メークに関しては「メークが濃すぎないように心がける」(ミナミ=40.3%、キタ=32.5%)「服装に合わせてメークを分ける」(ミナミ=29.5%、キタ=21.4%)の数値が高く、こだわりを持ちながらも、キタに比べナチュラルメークの傾向が見られる。
TSUTAYAでレンタルされる映画の傾向では、ミナミは「劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ」「ゲド戦記」「honey」などアニメ作品や漫画原作の実写版、キタは「オーシャンズ11」「オペラ座の怪人」「もののけ姫」など王道のヒット作品が多くレンタルされた。書籍では、ミナミは「鬼滅の刃 しあわせの花」などのアニメ関連作品や男性アイドルカレンダーの販売が多く、キタは「伝え方が9割」「絶対内定2020」など就活を意識したものが多い傾向があった。
江戸時代より芝居小屋が立ち並ぶエンターテインメントの街、「食い倒れの街」と称される道頓堀を中心としたミナミの街の特徴は、現代の女子大生の消費実態にも引き継ぐ調査結果が出た。