大阪市立中央図書館(大阪市西区北堀江4)が6月19日から、「本と、本屋」展の規模を拡大して開催している。
「街の本屋が相次いで閉店する中、図書館でも何かできないか」と企画。5月19日に始めていたものの、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、規模を縮小しての開催となっていた。大阪府の感染者数が少ないことなどから、6月19日から開館時間を通常通りに戻し、同展もそれに合わせて規模を拡大して開催する。
蔵書の中から「本を読みたくなる本」「本屋に行きたくなる本」約300冊を展示するのに加えて、6月19日からは書店、出版社、著作者など出版に関わる人から「本と本屋」についてのアンケートを集めて掲示している。
「ジュンク堂書店 難波店」(浪速区湊町1)の福嶋聡店長はアンケートの中で、「本屋は社会の『今』を映し出し、店主やスタッフの個性が表れる場所。図書館は、本屋で品切れのものや絶版本が置いてある。テーマに沿って広く調べたいときも重宝する」とそれぞれの違いを述べる。
会場では「本屋と図書館の違い」を掲示するほか、回答者の「思い出の一冊」も展示。「スタンダードブックストア」(天王寺区堀越町)の中川和彦さんは、ロバート・B・パーカーの作品「スペンサー」シリーズを挙げる。「自分にないものにあこがれる。翻訳物の私立探偵、冒険小説に出てくるバーに憧れを抱き、登場するお酒をよく飲んでいた」とアンケートの中で振り返った。
担当の平井文未乃さんは「開催から1カ月余り。他の図書館から企画に賛同する声が届くなど、手応えを感じている。これをきっかけに本を読む人が増えれば」と期待を寄せる。
開館時間は9時15分~20時30分(土曜・日曜・祝日は17時まで)。第1・第3木曜は休館(国民の祝日・休日に当たる場合は開館)。同館では新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1時間以内の滞在を呼び掛けている。