大阪市がこのほど、昨年11月23日から12月2日にかけて行われた社会実験について、検証結果を取りまとめた。
なんば駅周辺の空間再編後のイメージを具体化し、交通荷さばきの運用や歩行者空間の利活用検証のため、大阪市や南海電鉄、地元商店街が協力し実施した同実験。高島屋大阪店となんばマルイの間の「なんば駅前広場」を取り囲む北側の東行き2車線道路、南側の西行き2車線道路をともに封鎖し、同エリアを歩行者天国にした。既存のタクシー乗り場も同駅西側に移し、空いた場所にテーブルやイスを設置して憩いの空間へと切り替えた。
期間中に実施したアンケートには約900人が回答。「将来、この広場を歩行者のための空間に改造することについてどう思うか」という質問に対しては、9割以上の人が賛同する結果となった。通常時として比較して高齢者や子ども、女性の滞留時間が増え、人目の行き届く安全な空間であることや、車の通りがなく、歩行者が安全に通行できたことなどが好意的に受け止められた。一方で周辺事業者からの賛同は6割程度に留まり、「周辺店舗の営業に支障が出ている」「ハード整備だけでは魅力に感じない」と課題が残る結果となった。
なんば駅前広場を歩行者天国にしたことによる交通影響については、周辺の交通量が増えたものの、特に大きな混雑はなかったとしている。放置自転車台数の変動は小さく、同駅前広場、なんさん通り南北通り、パークス通りに放置自転車が多かった。