企画展「万博と仏教 -オリエンタリズムか、それとも祈りか」が8月5日、高島屋東別館(大阪市浪速区日本橋3)3階の高島屋史料館で始まった。主催は高島屋史料館TOKYO(東京都中央区)。
万国博覧会に出展された仏教に関する展示物を紹介し、近代の仏教のイメージと、その移り変わりを考察する企画展。大阪は、アジア初の万博が開催されたことや、寺院が多いことから同館での開催を決めた。会場には、万博と仏教にまつわる資料やパネル解説約120点を展示する。
会場は、2つの章で構成。1章は、年表を使い、ロンドンで万博が初開催された1851年から1970(昭和45)年の大阪万博開催までの歴史を振り返る。明治政府として初の公式参加となったウィーン万国博覧会で展示した「鎌倉大仏頭部の張り子」「五重塔の模型」、シカゴ万国博覧会で建設したパビリオン「平等院鳳凰堂外観を模した日本館」などを写真と資料を用いて紹介する。
2章では、1970(昭和45)年に開催された日本万国博覧会と仏教の関わりについて紹介する。当時、「日本館」で展示されたFRP製の仏像4体(模造)を会場中央に設置し、「ラオス館」に展示され、ラオスでは僧侶の起床や集合の合図などに使われると紹介されていた木鐘なども展示。「大韓民国館」「カンボジア館」「インド館」などが出展した各国の仏教に関する展示についてもパネルで紹介する。
同展を監修した宗教学者で和光大学講師の君島彩子さんは「万博に興味がある人は多いと思うが、万博と仏教を合わせて考える人は少ない。ぜひ来場して仏教にも興味を持ち、万博と仏教の新たな魅力を発見してもらえたら」と話す。
開催時間は10時~17時(最終入場は16時30分)。火曜・水曜休館。入場無料。12月25日まで。