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大阪・日本橋のBL専門漫画喫茶「ぢゅあん」 出店半年、蔵書は6500冊に

とぢこさんお気に入りのBL漫画とりんごジュース

とぢこさんお気に入りのBL漫画とりんごジュース

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 BL(ボーイズラブ)専門の漫画喫茶「ぢゅあん」がオープンして、7月29日で半年がたった。

6500冊のBL漫画が並ぶ本棚

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 2023年に海上自衛隊を54歳で定年退職したという大阪府出身の店主「とぢこ」さんは子どものころ、竹宮恵子さん原作の漫画「風と木の詩」、山岸涼子さん原作の漫画「日出処(ひいずるところ)の天子」などを読み、BLの世界にのめり込んでいったという。「当時はBLという言葉はなく『耽美(たんび)派』。腐女子街道まっしぐらだった」ととぢこさん。

 高校卒業後は4年間のアルバイト生活を経て海上自衛隊に入隊。神戸、広島などで勤務後、東京に定住した。仕事についている間は日々の仕事に追われ、BL漫画から遠ざかっていたという。

 2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で勤務もテレワークが半分になり、「外出することも難しく、再びBL漫画を読み始めた」というとぢこさんは、当初電子書籍で漫画を読んでいたが、紙で読みたくなり紙書籍を購入し続けたところ、3年間で5000冊ほどになったという。2023年、仕事が定年を迎えることや、生まれ故郷に住む両親の介護のため大阪に戻ることを決意。「体力のあるうちに好きなことをやりたい」とBL専門の漫画喫茶を出店した。

 店名は1978(昭和53)年に創刊し、1995(平成7)年に休刊したBL雑誌「JUNE(ジュネ)」をフランス語読みし、ひらがなで「ぢゅあん」とした。

 年明けの2024年1月に物件が決まり、床や壁紙の張り替えは自分で行った。物件は居住用のマンションとしても使えるため店舗として目立ちにくく、SNSで場所を知らせてもたどり着けない人が多いという。現在は、マンション入り口のポストや、部屋の窓に張り紙をして店の存在をアピールしている。

 店舗面積は約40平方メートル。席数は、テーブル席とソファ席の計15席。とぢこさんがロックバンド「ラルクアンシエル」の熱烈なファンであるため、ソファ席にはボーカル「hyde(ハイド)」さんにちなんだクッションなどを置く。

 オープンから半年がたち、漫画は2015(平成25)年以降の物を中心に約6500冊になった。飲み物にもこだわり、海上自衛隊時代の同僚がリンゴ農家に転身して作ったというリンゴを使った「りんごジュース」(500円)、東京・吉祥寺にある紅茶店「ジークレフ」が販売する紅茶、黒門市場の伊吹珈琲店から豆を仕入れる「コーヒー」(以上、450円)などを用意する。

 とぢこさんは「漫画の半分は人気タイトル、半分は個人の趣味。古い作品もあるので気軽にリクエストしてもらえたら」と話す。

 営業時間は13時~20時(金曜・土曜・祝前日は21時まで)。火曜・水曜・木曜は予約制。料金は30分300円~。

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