
歌舞伎行事「船乗り込み」が7月1日、道頓堀で行われた。
「船乗り込み」は、歌舞伎俳優が船に乗って川を巡りながら、川岸に集まったファンにあいさつをする伝統行事。起源は江戸時代にまでさかのぼり、当時、京都や江戸から大阪へやって来た歌舞伎役者たちが、川沿いを進みながらひいき客にあいさつを交わし、最終的に道頓堀の芝居小屋へと入っていったことに由来する。
大阪松竹座で7月5日から始まる「七月大歌舞伎」に合わせ行われたこの日、同公演に出演する尾上菊五郎さん(八代目)、尾上菊之助さん(六代目)らを乗せた9隻の船は、本町橋船着き場でオープニングセレモニーを行った後、14時50分頃戎橋東側に到着。川岸からは「音羽屋」「松嶋屋」などのかけ声が飛び交う中、紙吹雪と拍手で迎えられた。
菊五郎さんは「菊五郎の名跡と言えば、江戸の役者のイメージがあるかもしれないが、初代と二代目は関西で生まれ、大阪でも活躍した。今回はその初代、二代目にも顔向けができるよう、音羽屋にゆかりの演目を務めさせてもらう。ぜひ見に来てほしい」と呼びかける。
七月大歌舞伎は7月24日まで。