アメリカ村のカフェ「digmeout ART&DINER」(大阪市中央区西心斎橋2)で12月21日、「CHANGE わたしのせかい」をコンセプトにしたトークイベント「kaeru」が開催された。関西を中心にごみ拾いや地域活性化などのユニークな活動を行うNPO法人スマイルスタイル(西区)が企画したもの。
同イベントは、社会変革を目的とした事業を展開する起業家やクリエーターによる講演会やワークショップを行うことで、新しい価値観の模索や創出が目的。2回目となる今回は、「働く意味ってなんですか?社内を変えるバンカー」をテーマに、りそな銀行の藤原明さんとスマイルスタイル代表の塩山諒さんが対談。大学生や社会人ら30人の若者が、藤原さんの話に耳を傾けた。
藤原さんは、企業や地域とのコラボレーション企画を展開し、新しいマーケットを創造することを目的にした同行の「REENALプロジェクト」の仕掛け人。FM802のアートプロジェクト「digmeout」とのコラボレーションプロジェクト「RESONART」などを手掛ける。「りそなショック」で銀行のビジネスモデルが崩れたのをきっかけに銀行の慣習にとらわれない企画を考案し続ける藤原さんは、キャッシュカードに地元クリエーターのイラストを採用したり、天神橋筋商店街の支店限定の定期預金を販売したりと、これまでおよそ300もの企画にかかわってきた。
プロジェクトの目的について、藤原さんは「銀行は取引先があらゆる業種に及ぶ。発信力の強いアーティストやクリエーターの有機的なネットワークを活用したコラボレーションにより、取引先企業の潜在力を引き出し、新しいマーケットを作っていく」と話す。会社や社会を変えるためには、「お金をかけずに成功体験を積んでいくこと。自分の持っているもので世の中を変えていくこと、その際には『実需』を生むことが大切。また世の中に発信するためには『キャッチー』なことが必要なので、クリエーターとのコラボも大切」と秘訣を語った。
参加者からは「日常業務との兼ね合いはどうしているのか?」「REENALプロジェクトで困難だったことは?」など活発な質問が飛び出し、藤原さんはプロジェクトの経験をもとに「社内調整が大変だったが、制約があったからこそ、生きながらえてきたプロジェクトだと思う」などと回答した。