南船場のそば店「しのぶ庵 心斎橋店」(大阪市中央区南船場4、TEL 06-6241-2160)で2月14日、「しのぶ庵寄席」のこけら落とし公演が行われ、桂福団治さんら落語家3人が落語を披露した。
同店を運営するエムアンドエムフーズ(同区)は、そば打ち体験などを通じて食育に取り組んでいる。その活動を通して知り合った関西演芸協会会長の桂福団治さんから「若手の落語家が発表、育成できる場を提供してほしい」と依頼を受け、社長の大橋正伸さんが「(不景気の)こんな時代だからこそ文化を創っていく必要がある」と引き受けた。定休日の土曜を活用して定期的に寄席を開くことにし、店内の座敷に高座を設けて即席の寄席を作った。
公演の冒頭、大橋さんは「昔から相性の良いそばと落語のコラボレーションによって、文化を育てる場にしていきたい」とあいさつ。福団治さんは「マイクのない寄席はあこがれ。密度の高い話芸が育つと期待している。若手の落語家を育成する場になれば」と話す。公演は、福団治さん、明石家のんきさん、桂福丸さんが落語を披露、常連客ら45人の観客は笑いあり、涙ありの落語の世界に引き込まれていった。その後、観客らは同店の手打ちそばに舌鼓を打ち、落語の余韻を楽しんだ。
大橋さんは「多くの方から応援してもらい、毎週開催できるようにしたい。将来的にはスターが輩出できれば」と意気込みを語る。
3月以降も毎月第2土曜日17時から開催、3月14日は桂丸福さんと桂福丸さんが出演する。参加費は寄席とそば代がセットで、前売り=2,000円、当日=2,500円。定員は40人。