セブン&アイ・ホールディングス子会社のそごうは2月26日、そごう心斎橋店(大阪市中央区心斎橋筋1)の店舗、駐車場をJ.フロントリテイリング子会社の大丸に売却すると発表した。同日、譲渡価格379億1,000万円での売買契約が成立した。これにより同店は8月31日で閉店し、9月末に大丸に引き渡しが行われることになった。
同店は、2000年の経営破たん後の再生のシンボルとして2005年9月に再開店、リバイバルプランの集大成として注目を浴びた。昭和初期のモダニズム建築をモチーフにした外観や豪華な内装が話題を呼び、再開店直後には1カ月で200万人を超える来店があったが、「5年間の閉鎖による客離れが深刻化」(同社)し、年々売り上げが減少し営業赤字が続いていた。
大丸は9月末の物件引き渡し後に改装を行い、11月から心斎橋店の新館として一体的に運営、現在の本館、南館と合わせた3館体制となる。「ローコスト経営を実現することで、将来にわたる店舗競争力と収益基盤を強化する」(同社)としている。
難波の高島屋大阪店が今年秋に現在の1.4倍の売り場面積に増床するなど、大阪市内では百貨店の新設・増床計画が目白押しで、特に2011年は「大阪百貨店戦争」と呼ばれている。2011年春に大阪駅北側に「ジェイアール大阪三越伊勢丹(仮称)」が開業するほか、大丸梅田店が現在の1.6倍の売り場面積に、2012年には現在建て替え工事中の阪急梅田店が1.4倍になる。阿倍野橋駅前では「阿倍野ターミナルビル」が2014年に竣工(しゅんこう)を予定しており、近鉄百貨店が営業面積10万平方メートルと日本最大の規模で出店を計画している。