新歌舞伎座(大阪市中央区難波4)が、来年夏に上本町駅前で開発中の複合ビルに移転するのに伴い、6月末で難波での興行を終了する。
新歌舞伎座は、1932(昭和7)年の大阪歌舞伎座に端を発し、1958(昭和33)年に竣工した劇場。俳優や歌手を軸とする「座長公演」を主体とし、年間約75万人の来場者がある。建物の老朽化やバリアフリーの問題を抱えており、さまざまな方向で検討していたが、2004年に閉館した上本町の近鉄劇場(天王寺区)の跡地利用を検討していた近鉄と、新築する複合ビルへの入居で合意した。
6月27日からの3日間は「ありがとう難波 ファン感謝歌謡祭」として、五木ひろしさん、石川さゆりさん、山本譲二さんらがステージに登場する。また現在「さよなら公演記念グッズ」を販売しており、中でも新歌舞伎座をリアルにかたどった携帯ストラップ(800円)の人気が高いという。
上本町への移転について、同劇場担当者は「劇場だけではなく複合ビルに移転することで、普段芝居をご覧にならないお客さまに関心を持ってもらえるのでは」と期待感を寄せる。跡地利用については、土地・建物共に新歌舞伎座の所有でないため、「現時点では不明」。