大阪・ミナミの道頓堀川で「終戦の日」の8月15日、戦後、長らく行われていなかったお盆の「灯籠(とうろう)流し」が復活した。
道頓堀川では、約400年前よりお盆の時期に故人をしのぶ「送り火」の一種として灯籠流しが行われ始めた。現在でも「平和の象徴」として全国各地で灯籠流しが行われているが、道頓堀川では都市化による河川の汚濁の影響などから灯籠は流さず、大阪市環境局の船舶で大阪市中央区仏教会による「精霊流し」が行われるのみとなっていた。
近年になり道頓堀川の水質が改善してきたことや、8月22日からは産官民が協力して水の都・大阪を啓発するイベント「水都大阪2009」が始まることもあり、NPO法人「道頓堀水辺地権者会」など商店街関係者らが協力して、約半世紀ぶりに灯籠流しを復活させた。
夕刻から行われた灯籠流しでは、ペットボトルをリサイクルして作った200個の灯籠を、カヌーで放流した。川の両岸にある遊歩道「とんぼりリバーウォーク」では家族連れや外国人観光客らが、道頓堀のネオン輝く川面をゆっくりと流れる灯籠を見送った。
道頓堀水辺地権者会の以倉敬之さんは「今回は社会実験として小規模に行ったが、来年は規模を拡大して行いたい」と話す。「これを機に、川とともに生きる街づくりを推進していきたい」とも。