湊町のマルイト難波ビル東側の「A.I.R. 1963ビルディング」(大阪市浪速区元町1)屋上に9月26日、屋上菜園が登場した。
同菜園は、都市農業を推進するおもしろ農業(大阪市港区)が、同ビルに持ちかけて実現したもの。「都市を発信地として食糧自給率を上げる意識改善、ヒートアイランド現象の緩和、都市空間の有効活用」(おもしろ農業の山村勝平さん)を目指して行われたもので、同ビルのコンセプトである「アートとエコロジーで街を元気にする」を踏襲した第1弾のインスタレーションとしても行われた。
前日に防水塗装を施した屋上に若者ら17人が集まり、防水シートを敷いた上で屋上菜園の設営を行った。土が流れ出ないように囲いを設置し、屋上菜園用の軽量な土を入れ、ホウレンソウ、水菜、天王寺カブラ、小松菜などの野菜の種をまいた。屋上は約200平方メートルあるが、まずは5平方メートルほどを菜園とした。
山村さんは「大阪の屋上が全部菜園になったらよいと思う。各家庭で野菜を自給できるようになればという社会的なメッセージも込めた」と話す。今後は事業として成立させるために、栽培した野菜を販売するほか、菜園の貸し出しや、「都会で農業体験ができるというパッケージとしても販売していきたい」と抱負を語る。
今回の取り組みは1年間の実験的な取り組みとしてスタートしており、屋上を無償で借り受けたほか、ひょうご環境・緑化研究会からの技術サポートも受けた。今後は菜園を広げるとともに、大阪の他のビルの屋上にも菜園を広げていく考え。
10月22日~27日、同菜園で成安造形大学構想表現クラスとコラボレーションしアートイベント「屋上畑でつかまえて ~僕らの温室アート~」が開かれる。