■「デパ地下」をヤングファッションのフロアに
北館で最も注目すべきフロアが地下1階・地下2階の「うふふガールズ」だ。旧そごうでは食品売り場だったフロアを大胆に改装し、2フロア合わせて3,800平方メートルの売り場に18~25歳をターゲットにした27ブランドを集積する。特に地下1階は地下鉄心斎橋駅にも直結し、日本初となる「ジルスチュアートカフェ」も出店するなど見どころも多い。
「かわいくてかっこいい女の子を作るトータルコーディネートとカフェのフロア」をコンセプトにした地下1階は、まさしく北館の「顔」となるフロアだ。地下鉄心斎橋駅の改札に直結した西側入り口を入った場所に設けたイベントスペースには、地下2階に出店する「CECIL McBEE(セシルマクビー)」をディスプレーし、開業を迎える。
日本初出店となるのは、ファッションブランドの「ジルスチュアート」がプロデュースする「
JILLSTUART CAFE(ジルスチュアートカフェ)」。地下1階と地下2階とを貫く巨大な吹き抜け空間に面した位置に44席を配した開放的なカフェだ。ワッフルをベースにフルーツをトッピングしたカップケーキのほかドリンクなども提供し、買い物の間のガールズトークを楽しむことができる。隣には「JILL by JILLSTUART(ジルバイジルスチュアート)」も出店する。
関西初出店する「
MOROKO BAR(モロコバー)」は、「違う毎日を自分らしく過ごせる女性」をコンセプトに、「リンガフランカ」「ディスコバレー」「デニムバー」「モロコバー」の4ブランドで構成する婦人服ブランド。神戸コレクションにも出品するなど話題のブランドだ。
百貨店への出店が初めてとなる「
ESPERANZA twenty(エスペランサ トゥエンティ)」は、トレンドをいち早く取り入れ、大人っぽいきれいめエレガンス、カジュアルなローヒールなどの婦人靴を取り扱う。
「
ISBIT DAIKANYAMA(アイズビット ダイカンヤマ)」は、大阪の百貨店に初出店。「純粋さ」をイメージに、「遊び心」と「トレンド」をミックスした「アイズビットガーディアン」「シエラ レオン」「ウェンディーネ」「バドレット テラー」「アイリスクラブ バイ アイズビットガーディアン」の5ブランドを展開する。
その他、サマンサタバサの小物ブランド「
Samantha Thavasa Petit Choice(サマンサタバサ プチチョイス)」、100坪もの広さで展開する雑貨やコスメの「PLAZA(プラザ)」をはじめ、「Banner Barrett(バナーバレット)」「snidel(スナイデル)」「Rubyrivet(ルビーリベット)」「COCO DEAL(ココディール)」「une nana cool(ウンナナクール)」「charme et charmes(シャルムエ シャルム)」「gelato pique(ジェラートピケ)」が出店する。
「モテ系女の子を作る雑貨からファッションまでのトータルコーディネートフロア」をコンセプトにするのが地下2階のフロアだ。スイート系の地下1階とは異なり、グラマラス系、ナチュラル系ファッションと雑貨を集積した。
地下
1階からエスカレーターを下った場所にあるのが、地下1階のイベントスペースにもディスプレーされている「CECIL McBEE(セシルマクビー)」。「大人ガーリーなモテ服」をコンセプトにラメミックスのクラシックコートなどを展開する。
その隣には、百貨店初となる「
FREE'S MART(フリーズマート)」が出店。「L.A発ライフスタイル提案型セレクトストア」をコンセプトに、米国西海岸テイストのナチュラルで健康的なセクシースタイルを提案する。
ファッション雑貨と婦人靴の「Grandedge(グランドエッジ)」は百貨店初出店。クールカジュアルをテーマにしたアクセサリーと、ニーハイブーツ、ビジュー使いパンプスなどを集めた複合ショップ。
大阪初となる「31 Sons de mode(トランテアン ソン ドゥ モード)」は、スタイリスト風間ゆみえさんがディレクションする新ブランド。「Sweet Eleganceな新しいコンサバスタイル」をコンセプトに、体型のシルエットにこだわったコーディネートを提案する。
その他、百貨店初となる「
Glam honey(グラムハニー)」、関西初の「titty&Co.(ティティーアンドコー)」、日本初の「Red Lover Concept(レッドラヴァー コンセプト)」、大阪初の「Romeo y Julieta(ロミィジュリエッタ)」をはじめ、「ViS(ビス)」「carnelian(カーネリアン)」「Par Avion(パラビオン)」「Auntie Rosa(アンティ ローザ)」「DRWCYS(ドロシーズ)」「靴下屋」が出店する。
■期間限定ショップが中心の1階・2階フロア
1階は旧そごうから継続して営業するプレステージブランドを集積。「エルメス」「ティファニー」「カルティエ」「ブルガリ」「ブァンクリーフ&アーベル」「グッチ」「クロエ」が出店するほか、心斎橋筋側の入り口近くには「ユナイテッドアローズ」のアウトレット店が来春までの期間限定で出店する。
2階は全店舗が来春までの期間限定店だ。「WEGO」「イーヴス」「スウォッチ」「リトルベリー」のほか、クリスマス向け商品展開なども行っているが、来年春には「アラウンド30」(25~34歳)向けのセレクトショップと入れ替わる予定で、3~5階のフロアと合わせて4フロアが「アラウンド30」向けとなる。
■3~7階は「アラウンド30」向けフロアが中心に
3~5階の3フロアは、25~34歳の「アラウンド30」向けの展開となる。
3階には、本館から移設したハンドバッグ売り場のほか、関西初となる「ビジェス オペーク」、「レスポートサック」「フルラ」などが出店する。
4階は「キャラクター性の高いレディスファッションフロア」として展開、「ダブルスタンダードクロージング」「ポール&ジョー」「パトリッツィアぺぺ」などが出店する。
5階は「アクティブなアラウンド30のための上質なタウンファッション」と、デザイナーズファッションを集積。関西初となる「she loves suits(シーラブズスーツ)」のほか、雑貨の「アフタヌーンティーリビング」などが出店する。百貨店初となる喫茶「デリスデュ パレ」は、手作りタルトとドリンクを提供する。
6階は40~50代の女性をターゲットにしたカジュアルファッションとSサイズ、生活雑貨のフロアとして、百貨店初となるSサイズ店「S357」、同じく百貨店初となる生活雑貨「LOTTA」などが出店する。7階は30~50代の女性をターゲットにしたLサイズとミセスのプレタポルテのフロアになる。
■西日本最大級のゴルフフロアが8階に
本館から移設したゴルフウエア・用品を拡大し、
9打席のゴルフスクールと、シミュレーションゴルフ1室を併設した8階は全体を「ゴルフワールド」とし、西日本最大級(1,400平方メートル)ゴルフ専門フロアとなる。
大阪の百貨店初出店となる「
VIVA HEART(ビバハート)」は、アスリートスポーツにユーロ系トラッドを融合したゴルフウエアブランド。ビビッドカラーやラインストーンを使用するなど、都会派の人気ブランドだ。
そのほか、「プーマゴルフ」「ナイキゴルフ」「バーバリーゴルフ」「23区スポーツ」など各種のウエアのほか、スポーツ用サングラスの「スパイシースペック スポーツ」も出店。
フロア西側のスイング解析マシンを設置したゴルフレッスンルームでは、メンバー制のゴルフスクールを開催。シミュレーションゴルフルームでは、最新のクラブを用いた試し打ちもできる。リラクゼーションスペース「てもみん」、フットケアサロン「フットケアバランス」も出店する。
■9階はベビー・こども服
9階には、本館から子ども服、子ども用品、ベビーサロンを移設し、フロア全体をベビー、子ども服フロアとしたほか、アラウンド30の母親に向けたリーズナブルな高感度カジュアルウエアも新規導入する。
百貨店初となる「GENERAL SWITCH(ジェネラル・スイッチ)」は、カジュアルに大人の遊び心を取り入れた子ども服。「JENNI(ジェニー)」はトレンド性とファッショナブルなデザインを追求した「おしゃれでギャルちっくな」ガールズブランドだ。
■10階には「スポーツミツハシ ブラウニー」
スポーツ用品と旅行用品の
10階フロアの西側半分を占めるのは、スポーツウエア、用品の大型専門店として百貨店に初出店する「スポーツミツハシ ブラウニー」。シューズなどの用品を多数そろえるほか、40代以上の健康志向の客に向けてコンサルティング販売も行う。
その他、アウトドアウエア、用品の「フェールラーベン」「コロンビア」なども出店する。
■11階はリビング雑貨、エステなどのリラクシングフロア
11階には、アラウンド30、アラウンド40に向けたリビング雑貨、リラクゼーション雑貨のほか、エステやブライダルサロンなどが出店する。
百貨店初となる「Nordhic Garden(ノルディックガーデン)」は、キッチングッズ、テーブルウエア、テキスタイルなど北欧の約70ブランドから成るショップ。同じく百貨店初となる「miss HANAKO(ミスハナコ)」は鼻ケア専門エステ店。「いちご鼻解消コース」「くちびるぷるるんケア」など鼻を中心としたエステを行う。伊藤園がプロデュースするお茶の専門店「TEA'S TEA(ティーズ ティー)」も百貨店初出店。世界の紅茶を中心に、フレーバーティー、ウーロン茶、日本茶を10グラム単位で販売する。
その他、百貨店初のまつげエクステ専門店「
miss AIKO(ミス アイコ)」、同じく百貨店初の天然サプリメント専門店「ナチュレサプリメント」をはじめ、香り雑貨、ハーブティー、コスメ、エステサロン、美容室、ブライダルサロンなどが出店する。
■12階には書店、文具などの生活雑貨
12階には、書籍・CDの「FUTABA PLUS」、モデルカーの「K's Collention」、ライカカメラの「サン・エス」、音響製品の「BOSE セレクトショップ」をはじめ、旅行サロン、アートフラワー教室など趣味性の高い店舗を集積する。
■レストランフロアは13階
13階のレストランフロアには、旧そごうにあった店舗のほか、関西初出店となるうなぎ料理専門店「赤坂ふきぬき」、同じく関西初出店となる中国料理「ルーキスガーデン」、カフェ&ダイニング「カーディナル」のほか、新たに料理教室「ABCクッキングスタジオ」が出店する。
■そごう劇場は「大丸心斎橋劇場」に
14階の旧そごう劇場は、そのまま「大丸心斎橋劇場」として利用される。同フロアには本館にある大丸ミュージアムの機能も移設し、イベントや文化催事などの情報発信フロアとして利用する。
百貨店としては異例の18~24歳の「ヤング」をメーンターゲットの据えた大丸「北館」。アメリカ村にも近く、若者に人気の心斎橋OPAとも御堂筋を挟んで斜め向かいに位置していることから、もともとこの街に買い物に来ていたにもかかわらず取り込めていなかった層を狙う戦略だ。
こうした「ヤング」層をターゲットに、価格的にもこなれたカジュアルブランドを多数集積した地下フロア「うふふガールズ」は、ブログやフリーペーパーをツールとして用いるほか、14階の劇場を活用してファッションショーを行うなど、新しい販促手法にも意欲的に取り組む。
広域なんば圏では、2011年春になんばの高島屋大阪店の「新本館」が竣工し現在の1.4倍の売り場面積となり、増床部分には20代前半をターゲットにした商品を充実させるなど、若年層を顧客として取り込もうという動きが活発化している。その先駆けとなる大丸「北館」は百貨店の新モデルとして注目を集めている。