商売繁盛の神様「えべっさん」で知られる今宮戎神社(大阪市浪速区)の「十日戎(えびす)」が1月9日、初日の「宵えびす」を迎え、福娘らを乗せた宝恵駕籠(ほえかご)がミナミの中心部を練り歩き、福を届けた。
宝恵駕籠行列とは元禄期、南地の芸妓が船場の旦那衆の代わりに今宮戎神社に参拝したことから始まった伝統行事で、現在はミナミの各商店街らが参加した宝恵駕振興会が主催する。芸妓や福娘のほかタレントなどが宝恵駕籠に乗り込み、今宮戎神社への参道だった「戎橋」を中心にミナミを練り歩く。
道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」で9時50分から行われた出発式には、平松邦夫大阪市長も参加、大阪市政のキャッチフレーズ「いっしょにやりまひょ」を引き合いに出し、「250年前から『いっしょにやりまひょ』ということでみんなで協力して宝恵駕籠行列が行われていたと思う。今回も地元商店街などの協力をいただいた」とあいさつした。
宝恵駕籠には、NHK連続テレビ小説「てっぱん」ヒロインの瀧本美織さん、オリックスバファローズのT-岡田さん、歌舞伎俳優の片岡進之介さん、OSK日本歌劇団の桜花昇ぼるさん、テイチクレコードの菊池まどかさん、福娘代表の川上実津紀さんらが乗り、「ほえかご、ほえかご」のかけ声とともに総勢約500人の行列が同神社に向かった。