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湊町のギャラリーで企画展「ほんをさがして」-5通りの本のかたち

会場では、年代のさまざまな5人のアーティストが表現した5通りの本のかたちを展示する

会場では、年代のさまざまな5人のアーティストが表現した5通りの本のかたちを展示する

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 大阪・湊町の「A.I.R 1963ビルディング」(大阪市浪速区元町1)3階にある「ギャラリーほそかわ」(TEL 06-6633-0116)で現在、企画展「ほんをさがして」が開催されている。

本の表面にグラインダーとやすりで削りを入れた森末由美子さんの作品

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 同展は、オーナーの細川佳洋子さんが「世代」「扱う素材」の異なる5人のアーティストに「本」をテーマに制作を依頼し実現したもの。「素材選びからコンセプトまで、皆さん本当に趣向を凝らして制作してくれた。完成した作品を見たとき『なるほど!』とうなるものばかりだった」と細川さん。電子書籍の台頭で本という概念が見つめ直されている今、「作品に託した各人各様のメッセージから何か気づきを得てもらえれば」と期待を寄せる。

 1936(昭和11)年大阪生まれの彫刻家・福岡道雄さんは、鉛筆で小さな丸を描いた自著「何もすることがない-彫刻家は釣りに出る」(ブレーンセンター、1990年発売)の装丁原画など、「貴重な」1960年代初期の作品2点を展示。1950(昭和25)年名古屋生まれのアーティスト・藤本由紀夫さんは、鉛という「紙とは対極に存在する素材」(細川さん)で本を制作した。藤本さん初の鉛作品は、表面に「A」「WAY」の2文字が刻まれ、ページを閉じると「A」と「WAY」の「それぞれ別の物語が展開する」(藤本さん)もの。和紙を使って本の世界を表現したのは、1984(昭和59)年香川生まれのアーティスト・柴田精一さん。アクリル絵の具で色を付けた和紙にはさみで模様を入れ、何層にも重ね合わせたカラフルな切り紙作品に、芥川龍之介著「羅生門」や小川洋子さん著「妊娠カレンダー」など13冊の愛読書の名前をつけた。

 映像中心のインスタレーションを制作する1968(昭和43)年兵庫生まれのかなもりゆうこさんは、本のある日常風景を映像と写真、音楽で表現した。1982(昭和57)年京都生まれのアーティスト・森末由美子さんは、5人の中で唯一、実際の本を使って作品を制作。丸みを帯び「白い石」のようにも見える作品は、軽くのり付けした本の表面にグラインダーとやすりで削りを入れ、最後に白いアクリル絵の具で色付けしたもの。奥から挿絵や文字を浮かび上がらせ、「絵画のように仕立てて」(細川さん)展示する。

 開催時間は12時~18時。入場無料。今月26日まで。

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