大阪・難波の旧・精華小学校(大阪市中央区難波3)で3月26日、「精華小校舎を愛する人の建築勉強会・校舎見学会」が行われ、30人余りが参加した。
同勉強会は、同小学校の卒業生で建築士の分田よしこさん(STUDIO WAKEDA代表)が中心となり運営する「精華小校舎愛好会」(南船場2)の主催。1929(昭和4)年に竣工し、1995年に廃校となった同校舎について、昨年9月から月1回のペースで、建築の専門家や同校の卒業生などを招き、勉強会を行ってきた。
同校跡地を保有する大阪市は2007年、同小学校跡地を「処分検討地」(=10年以内の売却予定地)と位置付け、暫定的に学習ルームや小劇場、イベント会場などとして提供してきたが、来年度から売却に向けた準備を進めることになり、今月末をもって閉鎖することになった。
今回で最終回となる勉強会では、これまで招いた専門家らの話を振り返るとともに、東京での歴史的建築物の保存の取り組みなどを紹介。その後行われた見学会では、小学校の講堂や、併設されていた幼稚園の遊戯室などを紹介した。「外見からは分からないが、内部の設計にはこだわりが見られる。校舎を設計した増田清さんは、建物の構造にかなり気を遣っていたようだ」と分田さん。
分田さんは「戦後すぐにガスストーブを導入するなど、先進的な校舎だったことがうかがえる。戦中・戦後は一時休校となっていた時期があり、地下に散髪屋が入居していたり、講堂が『大阪文化会館』としてスイングショーの上演などに利用されていたりしたこともあった。会の活動は今後も続けていきたい」と話す。