回転ずしチェーンを展開する「くらコーポレーション」(堺市)は11月29日、「くら寿司 なんば元町店」(大阪市浪速区敷津東1)で新タイプのすしキャップ「鮮度くん」の発表会を行った。
全国の「くら寿司」286店で11月下旬に導入した「鮮度くん」は、キャップ本体に手を触れることなく、「かぶせる」「外す」といった動作ができるもの。20年ほど前から使われだした従来型のキャップは、キャップ本体に手を触れてかぶせたり外したりするため、手あかなどの汚れが付着し不衛生で、キャップを開けた時に臭うなどの問題点があったという。
同社では商品を単品管理する「時間制限管理システム」を10年前に導入し、同時に従来型のキャップを廃止していたが、「鳥インフルエンザ、ノロウイルス、O157などが問題になったほか、『不特定多数が来店する店で生ものを扱うのは非常識だ』というクレームも毎月5件程度あり、事故が起きると業界が飛ぶのではないかと思い」(田中邦彦社長)、従来型のキャップに代わるものの研究開発を続けてきたという。
ポリカーボネート樹脂でできた「鮮度くん」は、皿を押し込むとキャップが閉まり、皿の端を持ち上げるとキャップが開く仕組み。昨年5月に、食材の検査に来た保健所の職員から「食中毒は食材だけが原因ではなく、空気中の菌からの飛沫(ひまつ)感染が大きく影響する」と聞いたことから、開発を急いだ。原価はキャップ1つ当たり600~700円だという。