近畿日本鉄道(大阪市天王寺区)は8月3日、大阪・難波などから伊勢・志摩に向かうリゾート特急23000系「伊勢志摩ライナー」のリニューアルに伴い試乗会を行った。リニューアルは1994年の導入以来初めて。運行開始は8月4日。
新しい「伊勢志摩ライナー」は、外観を太陽と日差しをイメージした「赤色」と「黄色」の2種類を基調とし、内装は木目調に変更。広々とした3列シートの「デラックスカー」はシート生地にベージュの織物を採用し、壁には伊勢志摩産の真珠を用いた装飾品を配置し上質な空間を演出。「サロンカー」はピンクのシート生地を採用、座席間に天然木のテーブルを設け、ゲームや食事などが楽しめる。「レギュラーカー」はシート生地を「伊勢志摩の海のさざ波」を表現した青色を採用し、リゾート感を出した。
車内設備は、全トイレに温水洗浄便座を設置、車いす対応の多目的トイレを新設した。来年7月までに工事費約12億円をかけて、6編成全てをリニューアルする予定。試乗会に家族4人で参加した高山結衣さん(7)は「色が変わってインパクトがある」と話し、兄の涼さん(13)は「トイレの温水洗浄便座などの設備がうれしい」と語った。
同社では来年、伊勢神宮で「式年遷宮」があり多くの利用客を見込む。阪神なんば線の開通で阪神と相互乗り入れをする同社は、来年にも阪神三宮駅と近鉄賢島を結ぶ特急の運行を始める方向で協議していることから、さらに神戸方面からの客も取り込む見通し。