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アメ村で映画「人魚に会える日。」上映へ 大学生が企画制作

左から、シネマート心斎橋の滝澤悠平さん、仲村颯悟監督、岸本雅史さん

左から、シネマート心斎橋の滝澤悠平さん、仲村颯悟監督、岸本雅史さん

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 シネマート心斎橋(大阪市中央区西心斎橋1)で3月26日、映画監督をはじめ、撮影・編集・宣伝活動まで全て大学生で手掛けた映画「人魚に会える日。」の公開が始まる。

[動画] 映画の劇場予告編ムービー

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 小学生の頃から自主制作映画を撮り始め、沖縄観光ドラマコンペティションに出品した「やぎの散歩」で13歳にして映画監督としてデビューを果たした、沖縄出身の仲村颯悟(りゅうご)さんが監督を務める同作。

 仲村さんは高校卒業後に上京し、現在は慶応義塾大学環境情報学部2年生に在学。同作は14歳の頃に書き上げた脚本を基にした長編映画で、普天間基地移設問題をテーマに、沖縄が抱えるさまざまな葛藤を若者目線で描く。

 撮影は2014年8月半ばから約20日間かけて沖縄県内で行った。仲村さん自らが撮影を担当したほか、ツイッターやフェイスブックでの呼び掛けに応じた14人の大学生が音声、照明、美術、衣装、メークなどに関わった。キャストには、歌手のCoccoさんら、沖縄県内外で活躍するタレントや俳優が多数出演する。「ラジオ局で出待ちしてお願いしたこともあった」と仲村さん。

 「基地問題をテーマにしていることもあり、大人が関わると政治色が出る」との配慮もあり、撮影だけでなく、編集、興業、宣伝活動の一切を50人弱の大学生だけで行った。映画の編集が終わった段階で、映画館での公開に向けて具体的に動き出した所、ポスターや、デジタルフィルムへの変換に想定以上の資金が必要なことが分かり、昨年末、急きょ、クラウドファンディングで資金を募集。沖縄と東京での上映に必要な資金の一部、目標の300万円を18日間で集め、今年2月には沖縄で上映。3月には東京で上映が始まった。大阪上映には、沖縄と東京での興行収入を充てる。

 今回、上映に当たり、関西の大学生3人が協力した。そのうちの一人、神戸大学経営学部2年生の岸本雅史さんはメディア取材の誘致などを担当、「自分と同世代の大学生が映画を作ったということに衝撃を受けた。メディアに向けた宣伝活動を行ってみて、社会の厳しさなども感じた」と振り返る。シネマート心斎橋宣伝担当の滝澤悠平さんは「映画の制作から配給まで、全て大学生が手掛けるのは珍しい」と話す。

 仲村さんは「基地問題を取り上げた映画だが、純粋に映画としても楽しめるストーリーに仕上げた。若者の多いアメリカ村での上映なので、同世代の若い人たちにもぜひ見に来てほしい」と呼び掛ける。

 チケットは前売り=1,200円。大阪上映は4月1日まで。3月26日の上映初日にはティーチインも予定する。

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