戦後から高度成長期にかけて建てられた「戦後建築」の魅力を発信するイベント「ビルマニアカフェ」が10月11日・12日、南堀江の「西谷ビル」(大阪市西区南堀江1)で開催される。
戦後建築は、雑誌を飾る最新建築でもなく、レトロで華やかな装飾の明治・大正時代に建築されたレトロビルでもない、戦後の復興期から高度経済成長期に建てられたビル。レトロな空間に魅せられ、次々とレストランやカフェがオープンしているレトロビルに比べ、機能優先、経済性優先の無機質な「四角いハコ」という印象でひとくくりにされ、普段意識して見ることがない「普通の」ビルだ。
イベントを主催するのは、こうした戦後建築の魅力を探り、活用について独自に研究しているグループ「ビルマニアカフェ実行委員会」。「戦後建築は普通のビルだが、よく見てみれば微妙に色むらの残る外壁の釉薬(ゆうやく)タイルや大理石の代用として普及した左官仕上げのテラゾー、職人の腕の見せ所だった階段の手すり金物など、この時代ならではの魅力が息づいている」(同委員会)という。
同イベントは、「戦後建築の魅力を一般にも分かりやすく伝えて楽しんでもらうことを通じ、戦前のレトロビルのみならず戦後の優れたビルもまた都市の財産であることを、多くの人々に知ってもらう」(同)のが目的。会場の「西谷ビル」も戦後建築で、クリエーターによるトークライブ(12日14時~)やスライド上映も予定。会場には、ビルの雰囲気に合わせ、昔ながらの喫茶店メニューを提供する限定カフェも併設する。
同委員会担当者は「イベントを通じて都市の風景の見方が変わり、それぞれの視点で街の素敵な戦後建築を発見していくきっかけとなれば」と話す。
開催時間は12時~19時。11日はチャージ不要で1ドリンク制、12日は1,500円(1ドリンク付き)。