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なんばパークスで生物調査 準絶滅危惧種も確認

なんばパークス外観

なんばパークス外観

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 南海電鉄(大阪市浪速区)と大林組(東京都港区)が8月21日、「なんばパークス」(大阪市浪速区難波中2)の屋上で行った生物調査の結果を発表した。

スズメの幼鳥

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 実施期間は2022年から2023年の2年間。鳥類・昆虫類の調査を行い、南海電鉄が運営する商業施設「なんばパークス」の屋上にある「パークスガーデン」で生物多様性の保全状況をモニタリングした。鳥類調査は、パークスガーデン内およびなんばパークス敷地内の街路樹に複数の調査地点を設置し、5分間で観察できた種類と数を記録する方法(スポットセンサス法)を採用、¥渡り期(春・秋)、繁殖期、越冬期に分けて、年12回実施した。昆虫類調査は、パークスガーデン内の複数の地点d目視調査および捕虫網を使った調査を5分間実施。調査は5月から8月および10月に月1回の頻度で行うほか、9月には日没後に虫の鳴き声を聞き取る調査を実施した。

 街路樹で確認された鳥類は5種だったのに対し、同ガーデンで多く確認された鳥類は11種と約2倍の差をつけた。全国的に個体数の減少が懸念されているというスズメは、同ガーデン内で幼鳥が虫を採食している姿も確認できたという。

 昆虫類調査では、9目64科171種の昆虫類を確認。羽化から日が浅そうなショウジョウトンボのほか、大阪府レッドリスト2014の準絶滅危惧(NT)であるマイコアカネも確認できた。都市では局所的にしか見られないネジロハキリバチ、トモンハナバチ、アオスジハナバチなども確認できたという。

 両者は今後もパークスガーデンの緑地管理と定期的なモニタリングを継続し、大阪難波の「都心の森」を維持していくことで、生物多様性の保全に貢献していくという。

 「パークスガーデン」は2階から9階まで続く段丘状の庭園で、1万1500平方メートルの敷地に約500種類、10万株の植物が植えられている。2023年から2024年にかけて、「タッチングネイチャー」をコンセプトに、「これまで以上に人と自然が近づき五感で自然を感じられる空間」を目指しリニューアルした。

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